ToMMoにおける東日本大震災に関連した研究成果

東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は東日本大震災を契機に2012年2月に設立されました。震災により甚大な被害を受けた被災地における医療の再生と地域医療の復興のため、被災地を含む宮城県・岩手県で実施されている地域住民コホート調査および三世代コホート調査、その成果として構築された複合バイオバンクにより行われた様々な研究成果を被災地に還元することは、ToMMoが研究活動を行う上で大切にしていることです。本ページでは、ToMMoのメンバーが参画して行った東日本大震災に関係する研究成果等についてまとめています。また、多くの被災とその対応、復興の過程に向き合い、その対応記録の一部を「ToMMoにおける災害対応記録」としてまとめています。

2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014

2025年
災害後のこころのケアでのスクリーニング精度に関する論文成果

K6(Kessler 6)といった心理ストレスを測定する尺度の得点と「被災後の稼働減少」「震災後に新たに発生したPTSD」「思い出したくないのに災害のことを思い出す・夢に見る」などを組み合わせることで、自殺死亡の予測能の精度が向上するという結果が得られた。詳細

津波避難を促す身体的、精神的、社会経済的要因に関する論文成果

津波避難を促進する要因は、女性、若年者、就労者、住宅被害が大きかった者、震災前の津波・地震避難訓練の経験者、過去の地震・津波被害を家族・知人から聞いた者であった。一方で、津波避難を阻害する要因は、高齢者、高学歴者、配偶者・同居者がいる者、ペットを飼っている者、身体活動量が多い者であった。詳細

東日本大震災による家屋被害の程度と死亡リスクの関連についての論文成果

家屋被害の程度と死亡リスクの間に統計学的に有意な関連は示されなかった。詳細

2024年
震災による自宅および心理的被害と認知症リスク因子に関する論文成果

震災による住宅被害や心理的被害は、様々な認知症リスク因子の増加と関連していた。詳細

2023年
東日本大震災後の宮城県沿岸部における高血圧治療中断リスクに関する論文成果

東日本大震災後、内陸部在住者に比べ、沿岸部在住者のほうが高血圧治療を中断していた。一方で、沿岸部在住者で家屋被害が甚大だった方々の高血圧治療中断リスクは、内陸部在住者で家屋損壊なしと回答した方々と比較して有意な差は認められなかった。医療費免除等の公的支援を受けることができたことなどが影響したと考察。詳細

2022年
東日本大震災のトラウマ体験と産後うつ症状に関する論文成果

自身の命の危険、他者の死・危険の目撃を経験した女性は、産後にうつ症状を有する割合が高かった一方で、親しい者の喪失経験と産後うつ症状の関連はみられなかった。トラウマ体験の合計数が多いほど、産後うつ症状を有している割合が高かった。詳細

WHOによる「災害・健康危機管理の研究手法に関するWHOガイダンス」の発行に貢献

保健医療領域の災害対策の研究手法についての世界初の包括的ガイドをWHOが発行。全世界から100名を超える専門家が執筆に参加し、防災先進国である日本からも多くの専門家が執筆に協力。詳細

震災後の健康状態についてのレビュー論文成果

子どもにおいて、生まれた時期が震災前後で在胎週数に対して小さく生まれた方の割合の増減はなかった。大人においては、家屋損壊が深刻であったほど以下のような健康状態であった。
父親母親:過体重や喫煙の割合が高かった。
母親:高血圧の割合も高く、心理的苦痛を抱えている方の割合が高かった。
祖父母・父親:うつ傾向がある方の割合が高かった。
詳細

東日本大震災に伴う災害による健康影響に関する文献レビュー

震災後の健康影響は、大うつ病などの増加、運動習慣の減少、循環代謝系の疾患(脳血管疾患、糖尿病、高血圧、メタボリック症候群等)の増加、さらに社会的孤立といった社会的影響も示された。詳細

東日本大震災から4~7年経過後における母親の居住環境と栄養摂取状態に関する論文成果

大規模自然災害に伴う居住環境の変化は、発災直後のみならず、長期的に被災者の栄養摂取状態に影響を及ぼす可能性が示された。詳細

2021年
東日本大震災後に一過性に増加した透析導入に関する論文成果

気仙沼市における透析導入数は震災後5年目くらいから有意に増加し、10年後にほぼ震災前の導入数のレベルに戻った。震災後の一過性の透析導入数の増加には高血圧の関与が疑われた。詳細

妊婦の被災状況と健康に関する論文成果

家屋の全壊/大規模半壊の経験が、妊娠高血圧症候群の発症に直接的あるいは過体重を通して間接的に関連していた。詳細

東日本大震災後の避難所アセスメントデータから見えた避難者の健康状況と物資・インフラの関連性に関する論文成果

大災害後の避難所における浄水とトイレ環境の整備の重要性を示唆した。詳細

2020年
東日本大震災における妊婦と低出生体重児に関する学会発表

東日本大震災の1年前に妊娠初期であった妊婦と比較して、震災時に妊娠初期であった妊婦では低出生体重児を出産する割合が高い傾向にあり、震災1年後に妊娠初期であった妊婦では有意に高かった。詳細

2019年
インフルエンザワクチンの有効性について解析した論文成果

宮城県内の小中学生を対象に震災後2シーズン調査をし、インフルエンザワクチンの有効性を確認した。詳細

居住タイプと子どもの湿疹症状の関連について論文成果

震災前からの家屋にそのまま居住している子どもと比べて、東日本大震災発生から3~4年が経過した時点でプレハブ型応急仮設住宅に居住している子どもは、湿疹を有する割合が高かった。詳細

2018年
震災被害の長期的な影響に関する学会発表

家屋被害の大きかった人で心理的苦痛、平均歩数、骨密度への影響が継続していた。詳細

震災における身体的外傷と心理的苦痛との関連についての論文成果

軽度な身体的外傷であっても心理的苦痛の程度が高かった。詳細

子どもの湿疹の重症度と心の健康問題に関する論文成果

子どもの湿疹の重症度が高いと、心の健康問題のリスクが高値となる可能性が示された。詳細

東日本大震災被災地域における津波避難訓練の有効性を実証した論文成果

津波避難訓練が実際の個々人の避難行動を促進したことを実証した。詳細

震災による家屋被害が生活習慣・検査データに与える影響についての論文成果

被害の大きさが生活習慣や心身の健康状態に影響を及ぼしていること、また居住地と生活習慣の関連も示唆された。詳細

2017年
震災後の子どもの過体重に関する論文成果

震災後、被災三県では保育園児の過体重発症が増加していた。詳細

東日本大震災後の子どもの健康状態に関する論文成果

津波を経験した子どもで有病率が高く、被災経験が男児のアトピー性皮膚炎や女児の喘息の有病率と関連していた。詳細

被災地の健康状態に関する分析結果

身体活動量、喫煙、飲酒、震災時の自宅被害がメタボリック症候群と関連していた。内陸部に対して沿岸部では、心理的苦痛、抑うつ症状、不眠、PTSRのオッズ比が高かった。内陸部と比べ沿岸部では高血圧等の治療中断率が高かった。詳細

2016年
東日本大震災後の心理的苦痛に対するソーシャルキャピタルの影響、および家屋の損壊と転居の相互作用についての論文成果

家屋の損壊度が大きく、震災後に転居を経験した方でも、ソーシャルキャピタルが高いと心理的苦痛のリスクがやや小さくなることが明らかになった。詳細

東日本大震災後における配偶者の慢性疾患治療と心理的苦痛リスクについての論文成果

震災後、特に女性において、配偶者の慢性疾患治療により心理的苦痛リスクが増大していることが示唆された。詳細

震災後の心理的苦痛と高血圧治療中断についての論文成果

震災1年後の沿岸部被災地において、心理的苦痛を有する方で高血圧治療中断が高まったことを示唆した。詳細

東日本大震災被災地域で健康調査を行うこと等についての意識調査に関する論文成果

宮城県山元町での意識調査の結果、94.8%が「長期にわたり震災の影響を調査し住民の方々の健康を見守る健康調査に参加したい」と回答し、83.5%が「1人ひとりの体質や遺伝情報を調べて、それぞれに合った病気の予防法や治療法を開発することに協力したい」と回答した。詳細

2012~15年に実施した震災における子どもへの影響についての調査報告

2012年のパイロット調査および2013~15年に行われた地域子ども長期健康調査の報告。子どもの湿疹症状とこころの所見について震災の影響があることが分かったが、年を追うごとにやや減少傾向であった。詳細(一般向け/研究者向け

宮城県の産科医療における東日本大震災の影響についての論文成果

震災後2ヶ月間で217名の妊産婦が搬送や避難により予定分娩施設を変更せざるを得ず、病院に到着する前の分娩は震災前8件であったのが震災時には23件に著増、妊産婦救急搬送は598件が807件に増加していた。詳細

震災後4年間の宮城の子ども1万7千人の調査による成果報告

津波や住居の変化を経験した子どもでは、アトピー性皮膚炎の症状やこころの所見のある子どもの割合が高いが、時間経過とともに減少傾向が見られた。詳細

震災後の宮城の健康状態に関する分析結果

沿岸部地域で抑うつ傾向などメンタルヘルスのリスクが高い傾向が引き続き見られたが、前年度に比べるとわずかながらも回復傾向だった。沿岸部地域において、震災の被災状況と高血圧等の治療中断に関連が見られた。震災後の環境の変化やこころの状況と、睡眠薬の服用開始とに関連が見られた。詳細

震災1年後の将来の住居の見通しと心理的苦痛リスクの関連についての論文成果

七ヶ浜健康増進プロジェクトに参加した被災者において、既に居住場所が決定している方に比べ、見通しのない方で心理的苦痛リスクが増大していた。詳細

2015年
宮城県南部における小中学生の喘息症状と湿疹の有症率についての論文成果

2012年~2014年に宮城県南部で湿疹の症状がある子どもの割合は、過去に日本国内で行われた調査結果よりも高かった。詳細

東日本大震災後の七ヶ浜健康増進プロジェクトによる研究成果

身体疾患の治療をしている方は心理的苦痛が大きい傾向にあった。詳細

震災後2年目の沿岸部における継続した高い抑うつ傾向についての報告

内陸部と比較して、沿岸部では抑うつ症状、心的外傷後ストレス反応(PTSR)の疑いのある方の割合が高かった。詳細

宮城県南部の小中学生を対象とした子どもへの震災の影響に関する論文成果(2012年度パイロット調査時)

2012年度に行われた地域子ども長期健康調査パイロット調査とその研究デザインを論文化。詳細(速報的に発表した2013、14年度の本調査結果も参照ください)

災害に備えた平時からの母子保健・産科医療の連携状況に関する調査報告

母子保健・産科医療の災害時の備えや各都道府県の連携状況について調査を実施、報告書を公開した。詳細

2014年
宮城県の小中学生を対象とした子どもへの震災の影響に関する調査結果報告(2014年度)

3年間実施した地域子ども長期健康調査により、日常生活で何らかの難しさを抱えていると疑われる子ども、重い症状があるのに治療も診断も受けていない子どもの人数が判明した。詳細

地域住民コホート調査初年度の第一次集計状況

調査協力者の27%に抑うつ傾向、5%にPTSDの疑いが見られた。詳細

宮城県南部の小中学生を対象とした子どもへの震災の影響に関する調査結果報告(2013年度)

宮城県南部における呼吸器や皮膚の症状に関する調査で、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、PTSD、広汎性発達障害等の可能性がある子どもが見いだされた。また、気管支喘息で重度の症状があるにも関わらず、震災で治療を中断し2年近く経過した現時点でも治療していない子どもがいることも判明した。詳細