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2015.12.03

「宮城県南部における小中学生の喘息症状と湿疹の有症率」についての論文がTohoku Journal of Experimental Medicineに掲載されました

東北大学東北メディカル・メガバンク機構 予防医学・疫学部門の宮下真子助手、菊谷昌浩准教授らは、2012年度から宮城県内で実施している地域子ども長期健康調査から、「宮城県南部における小中学生の喘息症状と湿疹の有症率」についての論文を発表しました。この成果は Tohoku Journal of Experimental Medicine誌に12月2日付でオンライン公開されました。

■研究内容
地域子ども長期健康調査では、東日本大震災後の子どもたちに病気の増加や症状の悪化の懸念があることに対して、2012年~2015年に宮城県内28市町村の公立小中学校で健康アンケート調査を実施しました。このうち、2014年までに調査が終了した宮城県南部13市町について、喘息症状と湿疹の有症率を震災の経験などと併せて比較検討しました。
2012年~2014年に宮城県南部では、25,198人に調査票を配布し、7,155通(28.4%)を回収しました。調査対象とした小学2年生、4年生、6年生、中学2年生において、過去12か月に喘鳴の症状があった子どもは、それぞれ12.4%、9.9%、9.3%、5.6%で、過去12か月に湿疹の症状があった子どもは、20.1%、18.0%、14.0%、12.4%でした。湿疹の症状がある子どもの割合は、過去に日本国内で行われた調査結果よりも高いことがわかりました。

【論文】
Eczema and Asthma Symptoms among Schoolchildren in Coastal and Inland Areas after the 2011 Great East Japan Earthquake: The ToMMo Child Health Study
Masako Miyashita, Masahiro Kikuya, Chizuru Yamanaka, Mami Ishikuro, Taku Obara, Yuki Sato, Hirohito Metoki, Naoki Nakaya, Fuji Nagami, Hiroaki Tomita, Hideyasu Kiyomoto, Junichi Sugawara, Atsushi Hozawa, Nobuo Fuse, Yoichi Suzuki, Ichiro Tsuji, Shigeo Kure, Nobuo Yaegashi, Masayuki Yamamoto and Shinichi Kuriyama
The Tohoku Journal of Experimental Medicine, Vol. 237 (2015) No. 4 December p. 297-305
doi: 10.1620/tjem.237.297
論文名邦訳:沿岸と内陸部の小学生における東日本大震災後の喘息症状と湿疹の症状について:地域子ども長期健康調査

関連リンク

原著論文(J-STAGE)
The Tohoku Journal of Experimental Medicine
地域子ども長期健康調査の研究デザインと2012年度の調査結果について論文を発表しました
地域子ども長期健康調査