未知のなかば 道なき未知

pickup
第9回 新しい日本の地図「JG1」
ヒトの全ゲノム解析において現在もっとも利用されている解析方法、それは“短鎖技術による次世代シークエンシング解析”です。 これは、ゲノムDNAを数百塩基単位でバラバラにしてから解読して、解読した短い配列を基準となるゲノム配列に当てはめていくというものです。 【参考】ToMMoではこうやってDNAを解読しています(前編:次世代シークエンサー) この方法はいろいろな用途で広く使われていますが欠点もありま[...]
第8回 「終わりなき旅」の向こうに ~未診断疾患の患者さん達に診断を~
最近、手に力が入りにくいような気がする。 疲れがたまっているのかな? 何でもないだろう。いや、こんなに長く続くなんてもしかして何かの病気・・・? 「手に力が入りにくい」という「症状」から考えられる原因は、疲れ、筋肉の病気、脳や神経の病気・・・等々、数多くあります。ひとつの「症状」に複数の「病気」の可能性があり、原因や治療法は病気ごとに異なります。 「病気」の診断は患者さんの自覚症状や様々な検査結果[...]
第7回 身長を高くする要因は、牛乳? 遺伝? それとも?
~未知の相関関係をビッグデータで明らかに~ 「牛乳を飲むと背が高くなる」 そう信じて子どものころ毎日牛乳を飲んでいた人は多いと思います。では牛乳を飲んだ子どもたちは全員背が高くなったでしょうか? いいえ、そんなことはありませんね。 では牛乳と身長はまったく関係がないかというと、そうとも言い切れないような気がします。 ウィルスに感染するとその病気になる、体をぶつけると痣になる……。 こういった原因と[...]
第6回 知りたいけれど、知りたくない。遺伝子が教えるあなたの未来
「もう手の施しようがありません。余命半年です。」 ドラマで時々観る病気の告知シーン。当然、告知された本人は衝撃を受け、家族は嘆き悲しみます。 では、こう言われたらどうでしょうか? 「あなたはいま健康です。でも遺伝子を調べたところ将来○○という重い病気になる確率が20%あります。」 あなたは今、健康そのもの。食生活や生活を変えよう、すんなりそういう気持ちになりますか? いつ罹るかもしれない病気のため[...]
第5回 コホート調査がオリンピックに貢献?! ~網羅的化合物分析の応用~
今年はオリンピックイヤー。リオオリンピックの次は東京開催ということもあり、いつにもまして楽しみにしている方も多いでしょう。この楽しい気分に水を差すのが薬物による不正行為、ドーピングです。 ドーピングは、「フェアプレー精神に反する」ということも当然ですが、選手の健康にも影響を及ぼします。厳しくドーピングを取り締まり撲滅することは、選手の将来のためにも重要なことなのです。 今回は、この「ドーピング検査[...]
第4回 ToMMoではこうやってDNAを解読しています(後編:スーパーコンピュータ)
前回は、次世代シークエンサーを用いたDNAの解読方法をご紹介しました。第3回 ToMMoではこうやってDNAを解読しています(前編:次世代シークエンサー)  次世代シークエンサーで判明するのは、DNAから塩基の並びを読み取るところまでです。「塩基の並びがわかったんだから、これでDNAは解読できたじゃないか」そう思われるかもしれません。ところが、次世代シークエンサーで解読し終わった時点では、162塩[...]
第3回 ToMMoではこうやってDNAを解読しています(前編:次世代シークエンサー)
ヒトゲノムの解読、それはヒトの細胞の中のDNAに含まれる塩基配列情報を読み解く、ということです。 アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基の並びを一つずつ調べていく、たったそれだけのことですが、そこには大変な困難があります。なにしろヒト一人のゲノムに含まれる塩基の数は60億個。塩基一つが1文字だとすると60億塩基の情報は新聞紙500万枚に相当します。そして塩基[...]
第2回 タンパク質を調べて予防や診断に
ToMMoがバイオバンクを作る目的は新しい医療の開発ですが、その一つがタンパク質の研究です。生き物の体で働くさまざまな分子の中でも血液の中のタンパク質は、予防法や治療法の開発の糸口になると考えられています。 タンパク質は多くの種類があり、それぞれが異なる働きをしています。このことは医療に応用され、おおいに役立てられてきました。例えば健康診断では、血液を採ってGOTやGPT、γ-GTPなどのタンパク[...]
第1回 MRIが認知症の予防に
自分の脳は肉眼で見ることができませんが、機械を使えば映像にして見ることができます。方法はいくつかありますが、中でも人気があるのはMRIです。 MRIといえば、下のような脳の断面(二次元)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか(写真1)。 写真1 実はこのような画像を撮ることだけが、MRIの使い道ではありません。立体(三次元)的なデータを集めたり(動画1)、時間とともに体が変化していく様子を追っ[...]