お知らせ
- 2025.08.19
血中濃度に性差のある元素・セレンと鉄代謝の関連性を発見した論文が掲載
ヒト血漿に含まれる微量元素・金属類を測定した論文が学術誌Scientific Reportsに掲載されました。研究では誘導結合プラズマ質量分析法ICP-MSを用いた網羅的微量元素解析法を確立し、必須元素や有害金属14元素を一度に評価する手法を開発しました。本研究には、山本雅之機構長、木下賢吾副機構長、小柴生造教授らToMMoの研究者が多数参画しています。
本研究では、東北メディカル・メガバンク計画の地域住民コホート調査で収集された血液を用い、鉄やセレン、水銀、セレン輸送タンパク質セレノプロテインPなど、血漿中に含まれる元素レベルに性差があることを発見しました。さらに、セレノプロテインPレベルと、鉄やセレン、ヒ素、水銀、ヘマトクリット値、ヘモグロビン値、糖尿病マーカーHbA1c値との相関も明らかとなりました。この結果は、セレンと鉄代謝が密接に関連することを示唆しています。
詳しくは東北大学のプレスリリースをご覧ください。
書誌情報
タイトル:Gender differences in plasma element concentrations and associations between selenoprotein P and iron metabolism in a community-based cohort study
著者:Yoshiro Saito, Misaki Shimizu, Mitsuharu Sato, An Masuda, Kotoko Arisawa, Keiko Taguchi, Takashi Toyama, Ikuko N. Motoike, Kengo Kinoshita, Seizo Koshiba, Masayuki Yamamoto & Toshinari Takamura
掲載誌:Scientific Reports
掲載日:2025年7月13日
DOI:10.1038/s41598-025-10581-2