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2021.06.01

妊婦の血液を用いて妊娠高血圧腎症の発症を早期に予測できるバイオマーカーを同定した論文がBiological and Pharmaceutical Bulletinに掲載

菅原準一教授、城田松之講師と薬学研究科の寺崎哲也名誉教授、内田康雄講師らの研究グループは、高精度な、網羅的および標的プロテオミクス手法により、妊婦の血漿を用いて妊娠高血圧腎症の発症リスクを予測できる3種類のタンパク質(アファミン、フィブロネクチン、性ホルモン結合グロブリン)を同定し、それらを組み合わせることによって、従来よりも早期に(妊娠14週から)妊娠高血圧腎症の発症リスクを予測できることを実証しました。この論文は、日本薬学会の論文誌であるBiological and Pharmaceutical Bulletinに掲載されました。なお、本論文は「Highlighted paper selected by Editor-in-Chief」、「Featured Article」、表紙カバー論文に選定されております。

本研究は、当機構の推進する三世代コホート調査に参加された妊娠高血圧腎症および正常の妊婦を対象として実施されました。早期に発症リスクを予測できるようにするため、妊娠14~24週の間で採取された血漿を用いて、早期発見バイオマーカーの探索が行われました。候補のバイオマーカータンパク質が探索された後、2つの異なる妊婦集団を対象に、発症リスク予測の精度の検証が行われ、最終的に、アファミン、フィブロネクチンおよび性ホルモン結合グロブリンの3種類の組み合わせが最適なバイオマーカーであることが明らかとなりました。

従来の妊娠高血圧腎症の早期診断法開発の課題は、バイオマーカー同定の過程で十分な検証がされず、診断法としての信頼性が担保されていない、という点でした。しかし、本研究では、2つの独立した集団を対象に、上述の3種類のタンパク質の組み合わせが発症リスク予測に有用であることを実証しており、普遍性の高い有望なバイオマーカー候補を初めて同定できたと考えられます。

本研究の成果をより多くの集団に適用・検証することで、妊娠高血圧腎症の発症リスクが早期に予測できるようになり、予防・治療の早期介入が可能になるものと期待されます。

書誌情報

タイトル:Identification and Validation of Combination Plasma Biomarker of Afamin, Fibronectin and Sex Hormone-Binding Globulin to Predict Pre-Eclampsia
著者名:Yasuo Uchida, Tomoya Higuchi, Matsuyuki Shirota, Satoshi Kagami, Daisuke Saigusa, Seizo Koshiba, Jun Yasuda, Gen Tamiya, Shinichi Kuriyama, Kengo Kinoshita, Nobuo Yaegashi, Masayuki Yamamoto, Tetsuya Terasaki, Junichi Sugawara
掲載誌:Biological and Pharmaceutical Bulletin
DOI:10.1248/bpb.b20-01043

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