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2021.04.28

三世代コホート調査をもとにした産後の喫煙再開の要因に関する論文がJournal of Epidemiology誌に掲載されました

予防医学・疫学部門の村上慶子講師らが執筆した妊娠初期に禁煙した女性における産後の喫煙再開の要因に関する論文がJournal of Epidemiology誌に掲載されました。

胎児の健康への影響を考えて妊娠中に禁煙するものの、産後に喫煙を再開する女性は多く、重要な公衆衛生学的課題となっています。産後の喫煙再開に関連する要因が検討されてきましたが、妊娠中に禁煙の介入を受けた女性が対象であったり、禁煙時期を考慮していない研究が主でした。妊娠初期に禁煙した女性は、妊娠中に禁煙を継続する割合は高いものの、産後に喫煙を再開する割合の高さが懸念されています。また、周囲の喫煙環境が喫煙再開に影響する可能性が指摘されているものの、職場の受動喫煙と産後の喫煙再開の関連は今まで検討されていませんでした。そこで、三世代コホート調査のデータを用いて、妊娠初期に禁煙した女性を対象に、産後の喫煙再開に関連する要因を検討しました。

その結果、妊娠初期に禁煙した女性の約25%が産後1年の間に喫煙を再開していました。低い教育歴、過去に分娩歴あり、母乳育児なし、産後うつ、家庭で受動喫煙ありの女性で喫煙を再開する割合が高いことが明らかになりました。職場で受動喫煙にさらされている女性も喫煙を再開する割合が高く、その関連は家庭で受動喫煙のない女性で特にみられました。

妊娠中は生涯でもっとも禁煙を実行する時期ですが、産後も禁煙を継続することで、自身の健康リスクを下げるだけでなく、生まれてきた子の受動喫煙のリスクも下げることができます。妊娠中も喫煙を継続したり禁煙に苦労したりした女性と比べると、妊娠初期に禁煙に成功した女性には支援が行き届きにくいですが、本研究で明らかになった産後の喫煙再開のリスク要因を考慮することで、効果的な産後の禁煙継続への介入につながる可能性があります。

書誌情報

タイトル:Factors associated with postpartum smoking relapse among women who quit in early pregnancy: the Tohoku Medical Megabank Project Birth and Three-Generation Cohort Study
著者名:Keiko Murakami, Mami Ishikuro, Fumihiko Ueno, Aoi Noda, Tomomi Onuma, Taku Obara, Shinichi Kuriyama
掲載誌:Journal of Epidemiology
DOI:10.2188/jea.JE20200609