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2021.01.13

遺伝性腫瘍症候群の責任遺伝子の遺伝的多様体についての研究論文がPLOS One誌に掲載

安田純客員教授(宮城県立がんセンター)、八重樫伸生機構長特別補佐(東北大学大学院医学研究科長)、山本雅之機構長らの研究グループは、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の責任遺伝子BRCA1及びBRCA2の遺伝的多様体のうち、日本人全ゲノムリファレンスパネル(3.5KJPNv2)に収載されている多様体について、がん発症リスク評価法の開発を行い、論文がPLOS One誌(Public Library of Science社)に掲載されました。

本研究はBRCA1及びBRCA2遺伝子で時折検出されるリスクの不明な遺伝的多様体について、ToMMoのもつ調査票情報を活用することでがん発症のリスクの評価が可能であることを示しました。

すでに3.5KJPNv2には上記2遺伝子について既知の高リスク遺伝的多様体が収載されています。本研究では3.5KJPNv2と米国ブロード研究所が提供する12万人以上の多民族集団の遺伝的多様体のデータと比較するなどして、高リスクな遺伝的多様体が主に民族集団単位で分布することを見出しました。

また、各種の遺伝的多様体の機能推定ソフトウエアを併用し、そこに3.5KJPNv2から得られる正確な遺伝的多様体の頻度情報を組み合わせることで、がん発症リスクのある遺伝的多様体を検索する技術を開発しました。そして、リスク不明とされてきた遺伝的多様体について、ToMMoのもつ調査票情報(がん家族歴)からわずかながら発がんリスクが一般より高い可能性があることを明らかにしました。

今回の研究は医療上の対応(予防的卵巣・卵管切除や乳房切除)が必要な遺伝的多様体ではなく、定期的な検診を受けることなどで利益がある可能性が高い遺伝的多様体を見分けることで個人個人にあった医療や健康管理をする個別化予防の実現につながる成果と考えられます。

書誌情報

タイトル:Novel candidates of pathogenic variants of the BRCA1 and BRCA2 genes from a dataset of 3,552 Japanese whole genomes (3.5KJPNv2)
著者:Hideki Tokunaga, Keita Iida, Atsushi Hozawa, Soichi Ogishima, Yoh Watanabe, Shogo Shigeta, Muneaki Shimada, Yumi Yamaguchi-Kabata, Shu Tadaka, Fumiki Katsuoka, Shin Ito, Kazuki Kumada, Yohei Hamanaka, Nobuo Fuse, Kengo Kinoshita, Masayuki Yamamoto, Nobuo Yaegashi, Jun Yasuda
掲載誌:PLOS One
Published: January 11, 2021