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2018.09.03

核酸クロマトグラフィーストリップを利用して医薬品の効果や副作用に関連する遺伝子多型を簡易迅速検出する方法の開発に成功しました

【成果のポイント】
• 従来から、医薬品の効果や副作用発現に関連する遺伝子多型※1を、臨床現場で簡便、迅速かつ低コストに検出できる方法が求められていました。
• 核酸クロマトグラフィーストリップ※2を利用して、90分以内に、複数遺伝子の複数遺伝子多型を同時検出する方法を開発しました。
• 遺伝子多型の検出系を構築するためには、方法の正確性を確認するために、様々な遺伝子型に対する標準DNAが必要になります。今回、東北メディカル・メガバンク機構が構築した「全ゲノム※3リファレンスパネル」と「不死化リンパ芽球細胞株※4」を活用することで、短期間での開発に成功しました。
• 医薬品投与前に遺伝子多型を検査することで、薬効や副作用発現の個人差を予測し、患者さん個々に最適な薬の選択や投与量の調整を行う個別化薬物療法の展開が期待されます。

【概要】
 バイオバンク部門の平塚真弘准教授(東北大学大学院薬学研究科生活習慣病治療薬学分野、東北大学病院、未来型医療創成センター兼任)、そして菱沼英史助教(未来型医療創成センター兼任)、山本雅之機構長らは、核酸クロマトグラフィーストリップを利用して、医薬品の効果や副作用発現を予測する遺伝子多型検出系を開発しました。同法は、高価な解析機器を必要としない手法であり、PCR後、約5~10分以内に1本の検出ストリップで最大6カ所の遺伝子多型をマルチプレックス検出※5できるファーマコゲノミクス検査薬※6です。今回、抗凝固薬ワルファリンの維持投与量決定に有益であるCYP2C9、VKORC1、CYP4F2遺伝子多型や薬剤性難聴の原因となるミトコンドリアDNA多型等の検出系の構築に成功しました。
 本研究の成果は、特定の医薬品において、副作用が発現する可能性が高い患者や適切な薬効を得るための投与量調節が必要な患者を遺伝子情報から特定する「未来型医療」を展開する上で極めて重要であると考えられます。

詳細(PDF)

【用語説明】
※1. 遺伝子多型:遺伝子を構成しているDNA配列の個体差。
※2. 核酸クロマトグラフィー:形状が尿糖検査薬や妊娠検査薬のようなものであり、メンブレンストリップ上に数種類の配列の異なるシングルストランドDNAが固相化されている。特定のPCR産物が増幅されているかを簡便かつ高感度で視覚的に判断することができるデバイス。
※3. ゲノム:個体が持つDNAのすべての遺伝情報。また、その情報が全て網羅されていることを強調して「全ゲノム」という。1,000人以上の全ゲノム解析情報をもとに、日本人集団において参照(リファレンス)となる配列情報をまとめたものを全ゲノムリファレンスパネルと呼んでいる。
※4. 不死化リンパ芽球細胞株:EBウィルス感染により増殖能を獲得したヒトBリンパ芽球様細胞株。
※5. マルチプレックス検出:複数のプライマーを1本のチューブ内に添加し、同一反応において、2種類以上の遺伝子配列を増幅し特異的に検出する方法。
※6. ファーマコゲノミクス検査薬:医薬品の効果や副作用発現の遺伝的個人差に影響するDNA配列(遺伝子多型)を検出する試薬。

【論文題目】
Title: Development and application of a rapid and sensitive genotyping method for pharmacogene variants using the single-stranded tag hybridization chromatographic printed-array strip (STH-PAS)
Authors: Masaki Kumondai, Akio Ito, Eiji Hishinuma, Aoi Kikuchi, Takahiro Saito, Masamitsu Takahashi, Chiharu Tsukada, Sakae Saito, Jun Yasuda, Masao Nagasaki, Naoko Minegishi, Masayuki Yamamoto, Akira Kaneko, Isao Teramoto, Masatsugu Kimura, Noriyasu Hirasawa, Masahiro Hiratsuka

タイトル:STH-PASを利用した迅速かつ高感度なファーマコゲノミクス遺伝子検査薬の開発
著者:公文代將希、伊藤暁生、菱沼英史、菊地葵、齋藤雄大、髙橋理充、塚田智晴、齋藤さかえ、安田純、長﨑正朗、峯岸直子、山本雅之、金子明、寺本勲、木村政継、平澤典保、平塚真弘
DOI: https://doi.org/10.1016/j.dmpk.2018.08.003

本研究成果は、日本薬物動態学会発行の科学雑誌Drug Metabolism and Pharmacokineticsに2018年8月22日に掲載されました。

関連リンク

未来型医療創成センター 
東北大学大学院薬学研究科 生活習慣病治療薬学分野
東北大学病院 薬剤部
全ゲノムリファレンスパネル

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