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2018.07.02

ToMMoが協力した体外診断用医薬品の開発についての論文が掲載されました

バイオバンク部門 峯岸直子教授、ゲノム解析部門 長﨑正朗教授らが協力した、「炎症性腸疾患患者におけるチオプリン関連副作用とNUDT15遺伝子多型との相関性に関する多施設共同研究(MENDEL Study)」で取り組んだ体外診断用医薬品開発についての論文が、Journal of Gastroenterology 誌(オンライン版)に掲載されました。

この研究は、炎症性腸疾患、白血病、リウマチ性疾患、臓器移植後の治療におけるチオプリン製剤の重篤な副作用を予測する、日本人に最も適切な遺伝的マーカーを探索するため、全国32施設による多施設共同研究にて収集された2,630人の炎症性腸疾患の患者DNAを解析し、NUDT15(Nudix Hydrolase 15)遺伝子のコドン139が最も適切な遺伝的マーカーであることを示したものです。なお解析には日本人に最適化されたSNPアレイ「ジャポニカアレイ®」が用いられました。

ToMMoのバイオバンク部門では、この収集された検体を管理するバイオバンクの役割を担いました。また、ToMMoが構築した2,049人の日本人の全ゲノムリファレンスパネルも活用されています。

今後は、ToMMo で構築をおこなった3,554人の日本人の全ゲノムリファレンスパネルを活用することでより詳細なハプロタイプ(染色体上のSNPのつながり)ごとの副作用などについても検討を進めていく予定です。

【掲載論文】
NUDT15 codon 139 is the best pharmacogenetic marker for predicting thiopurine-induced severe adverse events in Japanese patients with inflammatory bowel disease: a multicenter study
掲載誌:Journal of Gastroenterology
doi: 10.1007/s00535-018-1486-7
著者:Yoichi Kakuta, Yosuke Kawai, Daisuke Okamoto, Tetsuya Takagawa, Kentaro Ikeya, Hirotake Sakuraba, Atsushi Nishida, Shoko Nakagawa, Miki Miura, Takahiko Toyonaga, Kei Onodera, Masaru Shinozaki, Yoh Ishiguro, Shinta Mizuno, Masahiro Takahara, Shunichi Yanai, Ryota Hokari, Tomoo Nakagawa,  Hiroshi Araki, Satoshi Motoya, Takeo Naito, Rintaro Moroi, Hisashi Shiga, Katsuya Endo, Taku Kobayashi, Makoto Naganuma, Sakiko Hiraoka, Takayuki Matsumoto, Shiro Nakamura, Hiroshi Nakase, Tadakazu Hisamatsu, Makoto Sasaki, Hiroyuki Hanai, Akira Andoh, Masao Nagasaki, Yoshitaka Kinouchi, Tooru Shimosegawa, Atsushi Masamune, Yasuo Suzuki, for the MENDEL study group 

関連リンク

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