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2016.11.19

ヒトの表現型のオントロジーに関する論文がNucleic Acids Research誌 に掲載されました

東北大学東北メディカル・メガバンク機構の荻島創一准教授(統合データベース室)らはHuman Phenotype Ontologyの共同研究で、オントロジーに関する論文「The Human Phenotype Ontology in 2017」を国際科学雑誌Nucleic Acids Researchに2016年11月28日付で発表しました。

Human Phenotype Ontology (HPO) はヒトの疾患における表現型の異常を記述する概念のオントロジーです。HPOは表現型の語彙、疾患と表現型のアノテーション、アルゴリズムの3種から構成され、2008年に発表されて以来、国内外でゲノム医療実現のための研究開発で利用されてきました。最近では、”deep phenotyping”という正確でより深い表現型の記述や解析に用いられるようになっています。本論文では、2008年のHPOの発表以来、1,725の用語の追加等のオントロジーの拡張、アノテーションの追加、他のオントロジーとの統合、未診断疾患プロジェクト等での臨床での利活用、研究での利活用、データ共有への貢献などのHPOのプロジェクトの進捗を報告するものです。国際的な枠組みのなかで、ヒトの疾患における表現型の異常を記述する概念の共通のオントロジーを開発することは国際連携において重要であり、当機構の荻島創一准教授は国内外の共同研究者と共同でHPOの開発・利活用と日本へのローカライズを進めています。

*オントロジー:ある領域の概念および概念間の関係を体系化して記述したもの。情報科学分野では、情報を組織化するための概念体系として用いられており、語彙を体系化して、概念および概念間の関係や用語の標準を示す。コンピュータ処理を可能とするためには、オントロジーを用いた知識の体系化が重要である。

【書誌情報】
The Human Phenotype Ontology in 2017
Nucleic Acids Research
First published online: November 28, 2016
doi:10.1093/nar/gkw1039

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Human Phenotype Ontology