東日本大震災から七周年を迎えて(2018年3月)

東日本大震災から七周年を迎えて

東日本大震災から7年という節目を迎えました。多くの犠牲になられた方々およびそのご家族の方々に、改めてお悔やみを申し上げます。また、今もなお多くの方々が不自由な生活を送られていることなど、震災以降、引き続き困難な状況に置かれている方々に心からのお見舞いを申し上げます。

東北メディカル・メガバンク計画は、東日本大震災からの復興を目指して歩みを進め、これまでに多くの知見を得てきていますが、その中には、震災時の住居への被害は年月が過ぎた後の健康状態に影響を及ぼしていることを示すものがあります。家屋被害が大きかった方々ほど、日々の運動が減るなどしてメタボリック症候群の割合が高くなっていること、高血圧薬の服薬中断をしている割合が高くなっていることなども明らかになっています。私たちは、これらは二次被害とも言える事態であると受け止めています。東北メディカル・メガバンク機構は、被災地の健康復興を掲げた当初の目的に常に立ち返り、私たちの調査で得られた結果を多くの自治体や医療機関などと共有し対策に努めてまいります。

東北メディカル・メガバンク計画では、昨年6月から、コホート調査に参加いただいた方々にもう一度詳細な検査を受けていただく詳細二次調査を開始しました。「大震災の被害を乗り越えてより健康な宮城・岩手を作るんだ」、という決意を胸に、今後も地域の皆さまと共に歩んで参りたいと存じます。

2018年3月11日
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構長
山本 雅之