4周年を迎えた東北メディカル・メガバンク機構(2016年2月)

4周年を迎えた東北メディカル・メガバンク機構

皆さまの東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の事業へのご協力に感謝申し上げます。2016年2月1日、当機構は設立4周年を迎えました。
私たちはこの4年間に、ToMMoクリニカル・フェロー制度を通して沿岸部の地域医療支援に取り組みました。また、震災後の地域住民の方々の健康を調べるために、当機構および岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構は、2つのコホート調査に取り組んできました。そのうち、地域住民コホート調査は、お陰様で目標としておりました8万人の参加をいただきました。三世代コホート調査は、妊婦さん1万6千人、赤ちゃん1万2千人、ご家族を合わせれば4万5千人以上と、目標の7万人登録に向けて着々と進んでおります。頂いた試料を安全かつ大切に保管するバイオバンクも充実してまいりました。多くの方々のご協力に厚くお礼を申し上げます。さらに、ゲノム解析等の研究を進め、未来型医療に必須の人材も育成してきました。

本事業は国内外の学術団体や行政機関等から、注目をされています。本年からは、よりいっそうバイオバンク事業に力を入れ、国際的な活動も視野に入れた活動を展開したいと思います。また、多くの成果を地域に還元できるよう邁進していく所存です。
震災5年を前にして、調査をもとに、震災後の地域の健康状態の把握がすすみ、その成果の報告も少しずつ増えてきました。今後も活動を通じて得た知見を、いち早く参加者と地域の皆様に還元し、地域の健康と復興への貢献を目指して参ります。また、ゲノム解析やオミックス解析等の解析を進め、一部は公開データベースとして国内外の研究者が利用できる形にして公共の利益に資すように、また、日本全国の研究機関へ試料・情報の分譲を行って我が国の学術研究の活性化と推進に役立てていきます。
ToMMoは今後も、多くの方々のお役に立てる成果を目指して活動して参ります。当事業にご理解とお力添えの程、何卒よろしくお願い申し上げます。

2016年2月1日
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構長
山本 雅之