東北メディカル・メガバンク機構5周年の節目に(2017年2月)
東北メディカル・メガバンク機構5周年の節目に
2017年2月1日、当機構は設立5周年を迎えました。この5年間、東北メディカル・メガバンク計画では、震災後の地域住民の方々の健康状態を把握するために、宮城・岩手の両県の皆様に健康調査への参加をお願いしてきましたが、お陰様で地域住民コホート調査は目標としていた8万人を、三世代コホート調査は7万人を上回る多くの方のご登録をいただきました。また、調査でいただいた試料を安全かつ大切に保管するバイオバンクを構築し、さらに、2,049人分の全ゲノム解析や1,008人分のオミックス解析、関連データベース公開等を進めました。未来型医療に必須の人材も育成し、また、ToMMoクリニカル・フェロー制度を通して沿岸部の地域医療支援に取り組んできました。ここまで事業を進めてこられたのは、皆様の温かいご支援の賜物であり、心よりお礼を申し上げます。
5年という、当計画の折り返し地点を過ぎ、両コホート調査の参加者募集を3月末に終えて、当計画は来年度より次の段階に入ります。これから始まる二次調査では、コホート研究の真骨頂である健康状態変化の追跡がはじまり、バイオバンクの試料・データがますます充実していきます。ここから集まったデータを研究者の方々に活かしていただく仕組みを充実させデータシェアを進めるところで、改めて当計画の真価が問われることになります。ビッグデータの活用が注目される国際情勢の中、私たちは今後、日本から世界の医療をリードする成果を出していきたいと考えています。
今まで誰も行ったことがない事業に挑戦する機会を与えていただいたことに感謝し、機構の教職員が一丸となって前に進んでいく所存です。皆様にはご助力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
2017年2月1日
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構長
山本 雅之