「東日本大震災から3年を迎えて」(2014年3月)
東日本大震災から3年を迎えて
この東北において、多くの命が失われ、多くの形あるものが壊され、多くの人々の運命が変えられてしまったあの日から、3年が過ぎました。地震、津波の犠牲となられた方々に、あらためて哀悼の意を表します。
私たちは、日本中、世界中の方々から様々なご支援をいただきながら、復興に至る長い道程を少しずつ、歩んできました。津波被災地には、まだ更地が目立つ状況ですが、前を向いて進もうとする気持ちは、東北の人々の共通の思いとなっています。
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)も、設立後2年が経過しました。ToMMoから多くの医師たちがクリニカル・フェローとして沿岸被災地に赴き地域医療支援に従事してきました。また、私たちの長期健康調査(ゲノムコホート調査)には1万人を超える方々の協力を得ています。地域医療の復興の一翼を担い、地域の人々の健康を見守るというToMMoの思いは、少しずつですが実を結び始めました。
被災後3年を過ごした住民の皆様の心と身体の健康には、震災当初とは違った懸念が現れてきています。3年という節目を迎えた今、ToMMoは、これまで以上に皆様の健康を注意深く見守り、復興を後押ししていきたいと考えています。
私たちToMMoは、今後も被災された皆様と一体になって東北の未来を築き上げていこうという思いを胸に、たゆみない前進に向けて決意を新たにしています。
2014年3月11日
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構長
山本 雅之