東北メディカル・メガバンク機構の6周年を迎えるにあたって(2018年2月)

東北メディカル・メガバンク機構は2018年2月1日に設立6周年を迎えました。これまでの6年間、当機構は東北メディカル・メガバンク計画の遂行に注力して参りました。震災後の健康状態を把握するために、宮城・岩手両県の皆様に健康調査へのご参加をお願いしてきましたが、お陰様で本計画第1段階におけるコホート調査で15万人の方々のご参加を頂き、2016年度にリクルートを完遂することができました。これを受けて、2017年度からは第2段階に入り、2017年6月にコホート調査の詳細二次調査をスタートさせることができました。参加者皆様のこれまでの温かいご支援に心よりお礼を申し上げます。引き続き県内7ヶ所に設置している地域支援センターへご来所頂き、詳細二次調査へのご協力を何卒よろしくお願いいたします。

ご協力頂いた試料を基にした研究を進める中で、当機構では2017年4月に我が国のゲノム医療研究の確固たる基盤を形成する目的で、日本人ゲノム解析ツール(ジャポニカアレイ®)のデータの活用サービスを開始しました。また、血漿中の代謝物データベースである日本人多層オミックス参照パネルの解析人数を5,093人へ拡張し、そのほぼ全ての方々のゲノム解析も終了しています。さらに3,554人分の全ゲノム解析結果の公開や、日本人基準ゲノム配列の解析対象のバージョンアップもいたしました。こうした解析データを広くお使い頂くべく、試料・情報分譲の対象を約2.3万人まで拡充をしています。

ところで昨年、東北大学は指定国立大学法人に指定されました。当機構は、その際に提案した未来型医療拠点を担う中心となるように発展することを目指しています。未来型医療領域における世界トップレベル研究の拠点形成に向けて、日本から世界の医療をリードする成果を発信していきたいと考えています。今後も当機構は教職員が一丸となって、目標達成を目指して前に進んでいく所存です。皆様には何卒熱いご助力の程、よろしくお願い申し上げます。

2018年2月1日
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構長
山本 雅之