東日本大震災から5年目にあたって(2016年3月)

img-greetings06東日本大震災から5年目にあたって

東北に大きな傷跡を残した東日本大震災から、5年が過ぎました。被害を受けられた方々に、改めて心よりお見舞いを申し上げます。

各地でさまざまな献身的な努力がなされてきましたが、私たち東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)も微力ながら、医療の面から被災地を支え復興に貢献して参りました。私たちが実施してきた長期健康調査(コホート調査)では、宮城県で9万人以上の方の健康状態をお調べし、震災後3年以上が過ぎた時点でも沿岸部で2割以上の方が抑うつ症状などに苦しまれていたことなど、依然厳しい実態を浮き彫りにしてきました。私たちはこれらの結果を各地の自治体や医療団体の方々などと共有し、また私たち自身でも心理士による地域の方々へのサポートを行うなどしています。復興への道のりは5年を経て確かなものとなりつつも、いまだ道半ばでありますが、私たちは今後も震災後の地域の健康状態の把握をすすめて、得られた知見を地域の方々の健康と復興に役立てて参ります。

私たちは、復興事業としての初心を忘れることなく、成果の還元を通じて地域の復興を加速するよう励み、被災地の方々とともに歩いて参ります。

2016年3月11日
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構長
山本 雅之