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2026.05.01

心血管疾患危険因子と大脳白質病変の関連を横断および縦断的に検討した論文が掲載

心血管疾患危険因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症・現在喫煙)と大脳白質病変(white matter lesions: WML)との関連を検討した論文がJournal of Atherosclerosis and Thrombosis誌 に掲載されました。

WMLは、将来的な認知症や脳血管疾患の発症と関連することが知られています。心血管疾患危険因子はWML進行に関与するとされていますが、特に若年層を含めた幅広い年齢層における、WMLの体積変化と心血管疾患危険因子との関連は明らかではありませんでした。

本研究では、東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査ベースライン調査(2013年から2016年にかけて実施した1回目の健康調査)に参加し、脳と心の健康調査(1回目・2回目)で頭部MRIを撮像した21〜90歳の4,595人を対象としました。中央値4.3年間の追跡期間における、各心血管疾患危険因子の有無とWML体積との関連を、年齢層(50歳未満、50代、60代、70歳以上)ごとに横断および縦断の両面から検討しました。さらに、心血管疾患危険因子保有数とWML体積の関連についても検討しました。
その結果、横断研究では特に高血圧有病が全年代でWML体積の大きさと有意な関連を示しました。一方、縦断研究では、高血圧、糖尿病、脂質異常症有病は50歳未満でWML体積増加と有意に関連しており、現在喫煙は50代以降で有意な増加が認められました。更に、心血管疾患危険因子を多く有する人ほどWML体積は大きく、特に50歳未満や50代でWML体積の増加も大きい傾向が示されました。

本研究により、心血管疾患危険因子は特に若年層においてWML進行に関与する可能性が示されました。また、横断研究と縦断研究では関連する因子や年代が異なることから、WMLの理解には経時的変化の評価も重要であることが示唆されました。心血管疾患危険因子を若年の段階から適切に管理することで、将来的な認知症や脳血管疾患の予防への寄与が期待されます。

書誌情報

タイトル:Association between cardiovascular disease risk factors and white matter lesions: The Tohoku Medical Megabank Cohort Study
著者名:Megumi Satake, Ippei Chiba, Mana Kogure, Rieko Hatanaka, Kumi Nakaya, Masato Takase, Sayuri Tokioka, Naoki Nakaya, Naoko Mori, Takuya Koyama, Yuto Abe, Yasuyuki Taki, Nobuo Fuse, Kengo Kinoshita, Yoko Izumi, Shunji Mugikura, Atsushi Hozawa
掲載誌:Journal of Atherosclerosis and Thrombosis
早期掲載日:2026年4月29日
DOI:https://doi.org/10.5551/jat.65993