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2012.11.15

ゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)の養成教育を開始します。

当機構は2012年11月19日よりゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)の養成教育を開始します。GMRCとは近年登場した医療系職種で、ゲノム医療の知識を持ち、研究について市民へ説明し理解を得た上で研究協力の検討へとつなぐプロフェッショナルです。

当機構が2013年春より行う長期健康調査事業では、調査の協力者を募り試料や診療情報の提供をお願いします。これにはゲノム医療への応用を目指した研究利用も関わってくるため、協力者募集の際には十分な説明の実施と理解を得ることが必要になります。

そのために当機構ではGMRCの養成およびToMMo GMRCの認定を開始します。これはインフォームド・コンセントに携わる当機構の人員を対象としたものです。ゲノム医療を十分に理解しToMMo GMRCに認定された者は特定検診会場、研究協力病院、当機構の地域支援センター等で活動します。そこでGMRCが研究内容を説明し、研究協力の検討をお願いして、適切にインフォームド・コンセントを取得することが重要になります。

GMRCの教育にあたる鈴木洋一教授(人材育成部門)は
「疫学や遺伝学の基本の他にもGMRCを取り巻く状況を講義し、難しくなりがちな研究の話を市民に対して簡単に噛みくだいて話す基本を教えて、一定水準以上のGMRCを育てたいと思います。将来は、GMRCが、遺伝情報を考慮した治験における、治験コーディネーターの仕事へも進出していければと思っています。さらに、ゲノム医療が身近になると予想される中、GMRC経験者が、医療チームの中で、“ゲノム医療コーディネーター”としてゲノム情報を基にした投薬、治療のサポートや栄養指導などができるように育ってほしいと願っています」
と、GMRCのキャリアの未来像について語りました。

ToMMo GMRCのカリキュラムは疫学や遺伝学や倫理等に重点が置かれており、講義と実習を受けた後に筆記試験と実習試験が行われ、合格者はToMMo GMRCの認定を受けます。認定は5年間有効で、平成26年度末までに90名の養成を目指しています。

さらに一定の現場経験を積み指定の講義・講演会で単位を取得したGMRCに対しては、より上級の認定を設けていくことも検討しています。

なお当機構での認定とは別に、日本人類遺伝学会・日本疫学会のGMRC認定試験の受験も推奨しています。