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2015.06.25

日本人に最適化されたSNPアレイ「ジャポニカアレイ®」を設計〜約66万個のSNP情報を搭載した個別化予防・医療研究を加速する解析ツール〜【プレスリリース】

 

東北大学東北メディカル・メガバンク機構ゲノム解析部門の 長﨑正朗教授、河合洋介講師 らは、日本人集団のもつSNP*1を全ゲノム領域を網羅し高精度で取得できる、日本人に最適化されたSNPアレイ「ジャポニカアレイ®」の設計に世界で初めて成功しました。
ジャポニカアレイ®の設計は、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査*2に協力した1,070人分の全ゲノム情報を活用し、独自のSNP選択アルゴリズムを開発・実装してスーパーコンピュータ上で解析することで実現されました。
遺伝子型インピュテーション*3(以下、インピュテーション)技術を用いることで約66万個のSNPを搭載したジャポニカアレイ®から最大2,000万SNPを取得可能です。
ジャポニカアレイ®は既存の同等数のSNPが搭載されているアレイと比べてインピュテーションの精度が10%以上向上し、また、3倍以上の数のSNPが搭載されている既存のSNPアレイとほぼ同等またはそれ以上の性能を発揮します。
この研究は、日本人に固有な体質・疾患の関連遺伝子を大規模に探索研究する為の基盤解析ツールであり、日本人の個別化予防・医療研究を加速する重要な成果です。本研究成果の詳細は、2015年6月25日(英国時間)Journal of Human Genetics誌のオンライン版で公開されました。

【論文名】
Yosuke Kawai, Takahiro Mimori, Kaname Kojima, Naoki Nariai, Inaho Danjoh, Rumiko Saito, Jun Yasuda, Masayuki Yamamoto, Masao Nagasaki
Japonica Array: Improved genotype imputation by designing a population-specific SNP array with 1,070 Japanese individuals
「ジャポニカアレイ®:1,070人の日本人の情報に基づく日本人集団に適したSNPアレイの設計によるインピュテーションの改良」
掲載予定誌:Journal of Human Genetics

 また、今回の発表にあわせて、研究者の興味のあるSNPが搭載されているかを評価できるようにジャポニカアレイ®に搭載されているSNPのリストについて一般公開を開始しました。
さらに、ジャポニカアレイ®を用いて未搭載のSNPがどの程度の精度でインピュテーション可能かについて問合わせを行うことができるポータルサイトを公開しました。
ジャポニカアレイ®は、株式会社 東芝へのライセンスのもと、一般にジェノタイピングサービスの提供が行われています。

 プレスリリース本文(PDF)

ID11110_japonica_fix_20150716

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