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2015.07.23

身体疾患の治療をしている人は心理的苦痛が大きい傾向~東日本大震災後の七ヶ浜健康増進プロジェクトから~【プレスリリース】

東北大学東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門の中谷 直樹 准教授は、同部門の中村 智洋 助教及び土屋 菜歩 助教、 辻 一郎 部門長、寳澤 篤 教授、災害科学国際研究所災害精神医学分野の富田 博秋 教授と共同で、七ヶ浜健康増進プロジェクト*1を通して、身体に疾患を持って治療をしている人は心理的苦痛も高くなっていることを明らかにしました。
本研究は、宮城県七ヶ浜町に居住する40歳以上の3,032人を解析対象としています。本研究結果は、2015年5月1日の災害医学公衆衛生学雑誌 Disaster Medicine and Public Health Preparedness誌(電子版)に掲載されました。

■研究内容
身体に疾患を持つ者は高い心理的苦痛を有することが報告されています。本研究では、東日本大震災で甚大な被害を受けた沿岸地域において循環器疾患、がん、高脂血症、肝臓病、腎臓病、糖尿病などの疾患の治療の有無と心理的苦痛の関連を検討しました。解析対象は、宮城県七ヶ浜町に居住する40歳以上の住民で、調査は2012年10月から12月に、研究チームが対象地域を訪問し、自己記入式の調査票を配布及び回収することで行われ、3,032人を解析対象としました。その結果、心筋梗塞・狭心症治療者及び肝臓病治療者は、治療していない者に比べ、高い心理的苦痛を有する(K6スコア*2が13点以上)者が有意に多いことが認められました。また、がん、高脂血症、腎臓病、糖尿病の治療をしている者は、治療していない者に比し、高い心理的苦痛を有する者が多い傾向が示されました。この関連は、東日本大震災の被害の程度(大規模半壊以上、半壊以下)に関わらず認められました。本研究から、被災地において、身体疾患の治療を受けている者に対して、厚く心理的サポートをする必要性が示されました。

【論文名】
The association between medical treatment of physical diseases and psychological distress after the Great East Japan Earthquake: The Shichigahama Health Promotion Project.
Disaster Medicine and Public Health Preparedness
August 2015, Vol. 9, Issue 04,  pp 374-381
DOI: 10.1017/dmp.2015.52

【論文題目邦訳】
東日本震災後の身体疾患の治療と心理的苦痛の関連:七ヶ浜健康増進プロジェクト

【用語解説】
*1 七ヶ浜健康増進プロジェクト: 東日本大震災以降、七ヶ浜町と東北大学の共同事業として行う、健康づくりへの様々な取組。2011年5月以来、仮設住宅での茶話会と健康相談を重ねると共に、被災者対象の健康調査も行っている。
*2 K6スコア: 心理ストレスを含む精神的な問題の程度を測る尺度として、国際的に広く用いられているもの。米国のKesslerらにより開発され、6問の質問紙調査からなる。うつ病・不安障害などの精神疾患をスクリーニングすることなどを目的に、一般住民を対象とした調査で広く利用されている。

プレスリリース本文(PDF)

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Disaster Medicine and Public Health Preparedness
予防医学・疫学部門 個別化予防・疫学分野 寳澤研究室

 

 

 

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