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2026.08.19

重度精神疾患を有する人のがん検診受診状況把握に向けた行政データ利活用の可能性に関する論文が掲載

重度精神疾患を有する人のがん検診受診状況把握に向けた行政データ利活用の可能性に関する論文が、和文医学誌 日本公衆衛生雑誌に掲載されました。

本研究では、重度精神疾患を有する人のがん検診受診状況を把握するために、利活用し得る行政データの整備状況を明らかにし、自立支援医療(精神)台帳と住民がん検診台帳を突合して、統合失調症スペクトラム障害を有する患者の住民がん検診受診率を集計することの実施可能性を検討しました。

本研究は近畿・中国・四国地方の市町村を対象とし、429市町村のうち67市町村から調査票の回答を得ました(回答率15.6%)。自立支援医療(精神)台帳および精神障害者保健福祉手帳台帳については、90%の市町村が電算処理ファイルで管理していました。各台帳を電算処理ファイルで管理している市町村のうち、主病名のICD-10コードを入力している市町村はそれぞれ、45%、34%でした。住民がん検診台帳については、がん種によってわずかに異なるが、95%以上の市町村が電算処理ファイルで管理していました。そのうち、一次検診の判定結果の入力割合は99%、精密検査受診の有無の入力割合は94%以上でした。また、13市町村(3.0%)で台帳突合による集計データの提供に至り、統合失調症スペクトラム障害患者における住民がん検診受診率を算出することが可能でした。

自立支援医療(精神)台帳と住民がん検診台帳を活用し、重度精神疾患を有する人の住民がん検診受診状況を把握することは、一部の市町村において技術的に可能であることが示されました。一方で、少なくとも現時点では全国的な展開には多くの障壁があることが示唆されました。

書誌情報

タイトル:重度精神疾患を有する人のがん検診受診状況把握に向けた行政データ利活用の可能性

著者名:藤原雅樹 * , 山田裕士 2*, 3* , 島津太一 4* , 中谷直樹 5* , 名越究 6* , 稲垣正俊 7*
所属機関名
* 岡山大学学術研究院医療開発領域 精神科神経科
2* 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 精神神経病態学
3* 積善病院 精神科
4* 国立がん研究センター がん対策研究所 行動科学研究部
5* 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 予防医学・疫学部門
6* 島根大学医学部 環境保健医学講座
7* 島根大学医学部 精神医学講座

掲載誌:日本公衆衛生雑誌
早期公開日:2026年7月31日
DOI:10.11236/jph.26-021