お知らせ
- 2026.09.07
過敏性腸症候群の死亡リスクに関する論文が掲載
過敏性腸症候群の死亡リスクに関する論文が国際科学誌Journal of Neurogastroenterology and Motility誌に掲載されました。
過敏性腸症候群(IBS)と死亡リスクに関する検討はこれまでにいくつか行われてきましたが、その関連の有無は一致しておらず結論は得られていません。本研究では、東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査(宮城)のデータを用い、IBSの死亡リスクの検討を行いました。
本研究では、 地域住民コホート調査 に宮城県内の地域支援センターで参加した15,354人を最大で2013年から2021年まで追跡調査しました。なお、IBSは Rome II質問紙を用いて判定されました。全死因死亡のハザード比(HR)および95%信頼区間(95%CI)は、多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いて推定し 、性別、IBSのサブタイプ、および1年以内の健診/検診受診状況などに応じて層別化解析を実施しました。
中央値6.7年の追跡期間中に311人の死亡を確認しました。 IBSの有無による死亡リスクに有意な差は認められませんでした(HR:0.94、95% CI:0.68-1.29)。また、性別、サブタイプなどに基づく結果も同様でした。一方で、過去1年以内に健診/検診を受けていないIBSの 者は、健診/検診を受けたIBSでない 者と比較して高い死亡リスクが示されました(HR:2.11、95% CI:1.06-4.19)。また、健診/検診を受けたIBSの 者では、有意な死亡リスクは示されませんでした。
本研究により、Rome II質問票を用いて判定されたIBSは、全死因死亡リスクとは関連しないことが示されました。しかしながら、IBS症状を有しながら過去1年以内に健診/検診を受けていない者は、高い死亡リスクを有する可能性を示唆しています。
書誌情報
タイトル:Mortality in Irritable Bowel Syndrome: The Tohoku Medical Megabank Project Community-based Cohort Study
著者:Kumi Nakaya, Naoki Nakaya, Mana Kogure, Rieko Hatanaka, Ippei Chiba, Masato Takase, Sayuri Tokioka, Taku Obara, Satoshi Nagaie, Tomohiro Nakamura, Motoyori Kanazawa, Soichi Ogishima, Nobuo Fuse, Yoko Izumi, Shin Fukudo, Atsushi Hozawa
掲載誌:Journal of Neurogastroenterology and Motility
掲載日:2026年9月4日
DOI:10.5056/jnm25142