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2025.10.14

ストレスセンサーKEAP1による両方向性の活性制御機構を解明

当機構の鈴木隆史准教授、山本雅之機構長らの研究グループは、兵庫県立大学の水島恒裕教授らとの共同研究により、ストレスセンサーKEAP1が刺激に応じて転写因子NRF2を活性化および抑制化の両方向性に調節する分子機構を明らかにしました。この成果は、国際科学誌Redox Biologyに掲載されました。

KEAP1-CUL3ユビキチンリガーゼは、転写因子NRF2のタンパク質安定性を制御し、細胞ストレス応答において重要な役割を果たします。KEAP1のBTBドメインは、親電子性物質のセンサーとして機能します。しかし、BTBドメインが親電子性物質を認識し活性を制御するメカニズムは依然として不明でした。

本研究では、親電子修飾がBTBホモ二量体の空間配置を変化させ、ユビキチンリガーゼ活性を制御することを明らかにしました。NRF2活性化剤CDDO化合物を用いた共結晶構造解析により、CDDO化合物はKEAP1の主要なセンサー残基であるCys151を修飾し、BTBホモ二量体におけるCUL3結合部位の空間配置を変化させ、KEAP1-CUL3複合体の親和性を低下させることを明らかにしました。対照的に、Cys151を標的とするNRF2阻害剤VVD化合物は、NRF2活性化剤の場合とは逆の方向にBTBホモ二量体の構造変化を引き起こすことを明らかにしました。

本研究は、BTBドメインがKEAP1-CUL3ユビキチンリガーゼ活性を両方向に微細に制御する分子機構を明らかにしました。この成果は、酸化ストレス・炎症関連疾患に対する予防・治療を目指したNRF2活性化剤の開発だけでなく、NRF2活性化悪性がんに対する治療を目指したNRF2阻害剤の開発に有益な情報を提供すると期待されます。

書誌情報

タイトル:Bidirectional Regulation of KEAP1 BTB Domain-based Sensor Activity
著者名:Takafumi Suzuki, Kenji Takagi, Tatsuro Iso, Huaichun Wen, Anqi Zhang, Tetsuya Hatakeyama, Hiraku Oshima, Tsunehiro Mizushima, Masayuki Yamamoto
掲載誌:Redox Biology
掲載日:2025年10月8日
DOI:10.1016/j.redox.2025.103885.

※本論文は『東北大学2025年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業』の支援を受け、Open Accessとなっています。