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2013.07.29

第34回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(8月2日)

第34回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は前橋工科大学・河合洋介先生を講師としてお迎えし、「天然変性タンパク質の分子進化」について講演していただきます。

日時:平成25年8月2日(金) 17:00‐18:30
場所:東北メディカル・メガバンク機構2階会議室1

演題:天然変性タンパク質の分子進化
講師:河合 洋介 先生(前橋工科大学)

・概要:タンパク質の中には生理的な条件下で一定の構造を作らない不規則な領域を含むものがあり、天然変性タンパク質と呼ばれている。ヒトのタンパク質の3割以上は天然変性タンパク質であると予測されており、核内に局在し転写制御やシグナル伝達に関与しているものが多い。不規則領域の中には他のタンパク質と複合体を形成しているときには構造をとっているものがある。これは不規則な状態のポリペプチド鎖がターゲット分子を認識し結合とフォールドが共役して起こるためだと考えられている。このような天然変性タンパク質の分子認識機構は構造を持つタンパク質の分子認識機構とは異なるパラダイムとして近年注目されている。天然変性タンパク質は原核生物にはほとんど存在せず不規則領域を介した分子認識は真核生物に固有のものであると考えられている。また不規則領域のアミノ酸配列の保存性は低く、中立に近い分子進化をしているようにみえる。しかし、なぜその様な部位がタンパク質間相互作用に重要な役割を果たすようになったのかについては分かっていない。本発表では特に不規則領域が関与する相互作用に着目し、これまで明らかにされてこなかった天然変性タンパク質の構造と機能と進化速度の関係に関する研究結果を紹介する。

 

・世話人:長﨑正朗