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2013.06.28

第32回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(7/5)

第32回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますので、ご案内いたします。今回は国立遺伝学研究所の中岡博史先生を講師としてお迎えし、「ポストゲノムワイド関連解析による易罹患性予測モデル構築と疾患感受性転写制御メカニズム解明」について講演していただきます。

日時:平成25年7月5日(金) 17:00‐18:30 
場所:東北メディカル・メガバンク機構2階会議室1

演題:ポストゲノムワイド関連解析による易罹患性予測モデル構築と疾患感受性転写制御メカニズム解明
講師:中岡 博史 先生
 (国立遺伝学研究所 総合遺伝研究系 人類遺伝学研究部門 特任研究員)

概要: 近年、ゲノムワイド関連解析(GWAS)により多因子疾患の感受性遺伝子が次々に同定されている。これらの成果は、多因子疾患の発症メカニズム解明に向けて貴重な知見となると期待される。しかし、同定された個々の遺伝的多型の効果は小さく、家族集積性から想定される疾患への遺伝的寄与のごく一部を説明するにすぎない。また、GWASで同定されたSNPの大半が遺伝子間領域かイントロンに存在することから、GWASで同定されたSNPの多くは近傍に存在する遺伝子の転写制御という複雑なメカニズムを通じて疾患の発症に関与していると考えられる。GWASプラットフォームから得られる知見そのものは、DNA多型と疾患の関連を示すだけのものであり、post-genome eraの最終目標として掲げられてきた病態解明による創薬や個の医療を実現するためには、GWASで得られた知見を精緻化・転換する“ポストゲノムワイド関連解析”が重要な課題である。

本講演では、演者らが取り組んでいる脳動脈瘤、関節リウマチ、子宮内膜症のポストゲノムワイド関連解析について以下の4つのトピックスとして紹介したい。

1.疾患表現型の詳細な記述による遺伝子型と疾患の関連の精査
2.Genomic profileによる疾患の易罹患性予測モデル構築とその臨床的妥当性
3.疾患感受性遺伝子座から生物学的経路を推定するシステムズ・ジェネティクス・アプローチ
4.ターゲットリシーケンシングとENCODEデータの利用による疾患受性転写制御メカニズムの解明

世話人:山口由美、長﨑正朗