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2021.01.18

常染色体劣性遺伝形式の骨系統疾患の病的バリアントの検出から保因者の頻度を推定し、日本人集団での潜在的な発症者の期待頻度を推定することに成功

骨系統疾患は希少な遺伝性疾患群であり、436種類の疾患に分類されます。疾患を持つ新生児の割合から疾患頻度を推定した報告はありますが、骨系統疾患の病的バリアントが日本人一般集団中にどれくらいの頻度で存在しているのかについては、分かっていませんでした。

菅原準一教授、山口由美講師、永岡晋一医師(現:都立大塚病院産婦人科)、室月淳連携大学院教授(宮城県立こども病院)らの研究グループによる本研究では、日本人一般集団3,552人の全ゲノムリファレンスパネルデータである3.5KJPNv2を用いて、常染色体劣性骨系統疾患に関する病的バリアントを検出し、保因者の頻度の推定、および日本人集団での潜在的な発症者の期待頻度を推定しました。常染色体劣性骨系統疾患については、日本整形外科学会に登録された30疾患を選択し、73の原因遺伝子から198の既報および予測された病的バリアントを検出しました。

今回の論文では、常染色体劣性骨系統疾患30疾患について、病的バリアントの保因者頻度を推定しました。さらに臨床的に重要な4つの骨系統疾患である骨形成不全症、低ホスファターゼ症、呼吸不全性胸郭異形成症、そしてEllis-van Creveld症候群について、日本人集団における潜在的な発症者の割合の期待値を推定しました。

本研究が示す結果により、日本人一般集団において、常染色体劣性骨系統疾患の病的バリアントの存在実態の理解が深まり、さらに臨床診断や、遺伝カウンセリング、個別化医療に役立つことが期待されます。

書誌情報

タイトル:Estimation of the carrier frequencies and proportions of potential patients by detecting causative gene variants associated with autosomal-recessive bone dysplasia using a whole-genome reference panel of Japanese individuals
著者名:Shinichi Nagaoka, Yumi Yamaguchi-Kabata, Naomi Shiga, Masahito Tachibana, Jun Yasuda, Shu Tadaka, Gen Tamiya, Nobuo Fuse, Kengo Kinoshita, Shigeo Kure, Jun Murotsuki, Masayuki Yamamoto, Nobuo Yaegashi & Junichi Sugawara
掲載誌:Human Genome Variation
Published:15 January 2021
DOI:10.1038/s41439-020-00133-7

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