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2020.11.18

jMorpアップデートについての論文を発表

東北メディカル・メガバンク機構が運用する日本人多層オミックス参照パネル(jMorp)データベースについて、基準ゲノムの追加・全ゲノムリファレンスパネルの拡充・トランスクリプトームとメチロームの統合・メタボロームの拡充についてのアップデートに関して論文としてまとめ、Nucleic Acids Research誌に報告しました。

jMorpは2015年7月に日本人約500人の血漿サンプルから得られたメタボロームデータとプロテオームデータを統合的に解析した結果を提供するデータベースとしてスタートしました。2015年のリリース以来、毎年アップデートを繰り返し、プロテオーム・メタボローム情報以外にも様々な情報を追加してきました。本論文では前回の報告からのアップデートを報告しています。

前回の報告と比較して主に以下の4つの機能が強化されています。
1. 日本人のために特別に構築された基準ゲノム JG1/JG2 の追加
2. 8,300人以上の全ゲノムシークエンシングによるゲノム多様性データの統合
3. トランスクリプトームとメチロームデータの統合
4. メタボロームの解析検体を23,000人以上へ拡大

jMorpは毎年のアップデートを経て現在では、ゲノム・メチローム・トランスクリプトーム・プロテオーム・メタボロームというセントラルドグマの始点から終点に近い部分まで、合計5種類のオミックスデータが収録されるようになりました。またこれらのデータは、ユーザーフレンドリーなWebインターフェースから簡単に閲覧することが可能です。これにより、jMorpが疾患バイオマーカーの発見や個別化予防早期診断に役立つデータリソースとなることが期待されます。

書誌情報

論文題名: jMorp updates in 2020: large enhancement of multi-omics data resources on the general Japanese population
掲載誌: Nucleic Acids Research
著者: Shu Tadaka, Eiji Hishinuma, Shohei Komaki, Ikuko N Motoike, Junko Kawashima, Daisuke Saigusa, Jin Inoue, Jun Takayama, Yasunobu Okamura, Yuichi Aoki, Matsuyuki Shirota, Akihito Otsuki, Fumiki Katsuoka, Atsushi Shimizu, Gen Tamiya, Seizo Koshiba, Makoto Sasaki, Masayuki Yamamoto, Kengo Kinoshita
Published: 12 November 2020
DOI:10.1093/nar/gkaa1034