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2020.06.12

日本国内で発生した新型コロナウイルスの感染者集団(クラスター)61例を詳しく分析した論文がEmerging Infectious Diseases誌に掲載されました

予防医学・疫学部門の土屋菜歩准教授は、東北大学医学系研究科の押谷仁教授らによるグループに参画し、国内で発生した新型コロナウイルスの感染者集団(クラスター)61例を詳しく分析した論文を、米国疾病対策センター(CDC)の専門誌Emerging Infectious Diseasesに発表しました。本論文は9月号に掲載予定ですが、緊急性を鑑み早期に公開されています。

本研究は、2020年1月15日から4月4日までに日本国内で感染が確認された3,184例について、リンクと5人以上のクラスター形成の有無(家族内感染は除く)について検討しました。61のクラスターが同定され、発生場所は医療機関が最も多く、高齢者施設、飲食店、音楽イベント、職場と続いていました。うち、22のクラスターで最初にウイルスを持ち込んだと考えられる症例が特定され、院内感染以外では20~30代の若者が半数を占めていました。最初に感染を広げた日が特定できたのは16人で、そのうち5人は発症1日前、4人は発症当日だったこともわかりました。また、市中で感染が拡大した後に医療機関や高齢者施設でクラスターが発生する傾向が認められました。
今回の発表により、積極的疫学調査により感染伝播の詳細を把握することで、感染拡大が起こりやすい場所や機会を明確にし予防対策に役立てられることが示唆されました。

土屋准教授は自治体等からの情報をまとめ、そこから考えられる感染経路やクラスターの同定、その特性について検討を行うなどで本研究に貢献しています。

書誌情報

タイトル:Clusters of Coronavirus Disease in Communities, Japan, January–April 2020
著者名:Yuki Furuse, Eiichiro Sando, Naho Tsuchiya, Reiko Miyahara, Ikkoh Yasuda, Yura K. Ko, Mayuko Saito, Konosuke Morimoto, Takeaki Imamura, Yugo Shobugawa, Shohei Nagata, Kazuaki Jindai, Tadatsugu Imamura, Tomimasa Sunagawa, Motoi Suzuki, Hiroshi Nishiura, Hitoshi Oshitani
掲載誌:Emerging Infectious Diseases
Original Publication Date: June 10, 2020
DOI: 10.3201/eid2609.202272

 

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