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2018.03.05

第12回ゲノム・オミックス連携推進セミナー開催のお知らせ(3月29日)

ToMMoゲノムプラットフォーム連携センターの主催による第11回ゲノム・オミックス連携推進セミナーを、下記の通り開催致します。オープンなセミナーですので、学外、学生の方々を含め、ご興味のある方はどなたでもご参加頂けます。

詳細

日時:3月29日(木) 16:00~17:30
場所:医学部6号館1階 講堂
講師:莚田 泰誠 先生
 (理化学研究所 統合生命医科学研究センター/ファーマコゲノミクス研究グループ、グループディレクター)
演題:国内外におけるファーマコゲノミクス検査の現状と副作用回避のための遺伝子検査の社会実装

※セミナー終了後に講師との懇談会を予定しています。ご希望の方はどなたでもご参加ください。

セミナー案内

セミナー要旨

ファーマコゲノミクス (PGx) は、薬効や副作用などの薬物応答性に関連する遺伝因子を見出し、個人個人に合った薬を適切に使い分けることを目指す研究です。PGxに関わる遺伝子検査の対象は、体細胞遺伝子と生殖細胞系列遺伝子に分けられますが、国内で臨床応用されている生殖細胞系列PGx検査は、抗がん薬イリノテカンによる副作用のリスクと関連するUGT1A1 (保険収載済み) と、先進医療として承認されているゴーシェ病治療薬エリグルスタットの用法・用量調整に用いられるCYP2D6のわずか2種類であり、現在のところ、コンパニオン診断に分類される検査は存在しません。
一方、米国では、161種類の生殖細胞系列PGxバイオマーカーの情報が医薬品添付文書に記載されています。ただし皆保険ではない米国において、その遺伝子検査の費用が保険会社の上位6社いずれかの対象とされているものはわずか11%に過ぎません。このように、国内外を問わず、生殖細胞系列PGxバイオマーカーの社会実装が限定的である理由としては、臨床的有用性を示す信頼性の高いエビデンスがない限り、遺伝子検査の臨床導入が規制当局、医療保険会社、医療従事者に認められるのは難しいという状況があるためと考えられます。
私共は、抗てんかん薬カルバマゼピンによる薬疹が起こった日本人患者53例の全ゲノム関連解析 (genome-wide association study:GWAS) により、カルバマゼピン誘発性薬疹に関連するHLA-A*31:01を同定しました。カルバマゼピン誘発性薬疹患者では、HLA-A*31:01で説明できる割合 (感度) は約60%であり、このようなHLA-A*31:01検査の臨床的有用性を示すためには、カルバマゼピンによる薬疹のリスク型と判定された患者には、バルプロ酸等の代替薬を投与するような医療介入の効果を調べることが必要です。国内18医療機関・36病院の協力のもと実施した、多施設前向き臨床研究Genotype-Based Carbamazepine Therapy (GENCAT) studyを紹介します。

問合せ先

東北メディカル・メガバンク機構
ゲノムプラットフォーム連携センター
副センター長 田邉
contact*gpc.megabank.tohoku.ac.jp(芳賀)
(*を@に変えて下さい)

 

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