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2016.01.08

ミトコンドリア病の新たな原因遺伝子 MRPS23, QRSL1, PNPLA4を発見【プレスリリース】

本研究は、埼玉医科大学の研究グループの主導のもと、東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 (ToMMo)などとの共同研究として行われました。
ToMMoは、平成25年度から宮城県内で大規模なコホート調査を進めていますが、そのうち1070人分の全ゲノム解析を完了させ、全ゲノムリファレンスパネル(1KJPN)を構築中でした。その構築にあたり、同パネルの精度検証を主たる目的に、共同研究公募を平成26年度から数回行っています。その第1回公募(2014年9月末締切)に、埼玉医科大学の研究グループが応募したことから共同研究はスタートしました。
ToMMoは1KJPNドラフト版での常染色体上に存在するミトコンドリア病に係る遺伝子群およびその近傍の多様体(バリアント)の頻度情報を整理し、埼玉医科大学側に提供いたしました。1KJPNドラフト版は、健常者集団に存在する数百万の低頻度のバリアント情報を含んでおり、ミトコンドリア病関連変異の抽出などに役立てられました。また、提供した頻度情報の精度について、同大学の持つ他の健常者集団の頻度情報と比較することで併せて検証が行われました。
本成果は、ToMMoが構築していた1KJPNを外部研究機関が主体的に用いた研究の最初の顕著な成果であり、疾患研究者の参照対象となり得るとしてきた東北メディカル・メガバンク計画におけるゲノム解析研究に、最も期待されてきた成果の一つと言えます。今後も、多数の疾患研究者と広く協力し、病態の解明や治療に結びつく成果をあげるべく寄与していきます。

プレスリリース本文(PDF)

【論文名】
A comprehensive genomic analysis reveals the genetic landscape of mitochondrial respiratory chain complex deficiencies
『網羅的ゲノム解析によりミトコンドリア病の遺伝的背景の一端を明らかにした』
掲載誌:PLOS Genetics

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