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- 2026.02.16
子どものスクリーンタイムと外在化・内在化行動の双方向性に関する論文が掲載
子どものスクリーンタイムと行動特性(外在化・内在化行動)の関連についての論文が、国際科学誌 American Journal of Epidemiology にオンライン先行掲載されました。
近年、幼児期のデジタルメディア利用(スクリーンタイム)が増加しており、発達や行動への影響が幅広く懸念されています。外在化行動(攻撃性や注意問題)および内在化行動(引きこもり、身体訴え、不安抑うつなど)は幼児期の発達課題として注目されており、長期にわたる発達への影響が示唆されています。しかし、スクリーンタイムがこれらの行動とどのように関連するか、逆に行動がスクリーンタイムに影響を及ぼすかといった「双方向性(bidirectional associations)」については十分に理解されていませんでした。
本研究は、三世代コホート調査のデータを用いて、2~5歳児を対象にスクリーンタイムと行動特性の関連を縦断的に検討しました。
対象となったのは、幼児期のスクリーンタイムと行動特性に関する保護者アンケート情報を含む7,747組の母子です。スクリーンタイムは2~5歳の各年で評価され、問題行動は子どもの行動・情緒評価尺度として広く使われているChild Behavior Checklist for Ages 1½-5を用いて外在化行動および内在化行動を評価しました。解析にはRandom-Intercept Cross-Lagged Panel Modelsを用い、年齢ごとの双方向性を評価しました。
解析の結果、2歳時のスクリーンタイムが3歳時の全ての行動スケールのスコアと関連していました。また、年齢が進むにつれて特定の行動スケールとスクリーンタイムの間で特有の双方向性の関連が認められました。これらの結果は、スクリーンタイムと幼児の行動特性が単方向的ではなく双方向的である可能性を示唆しています。
本研究は、幼児期のスクリーンタイム管理や行動発達支援の議論において、年齢ごとの双方向的な影響を考慮する必要性を示す初期的なエビデンスを提供するものです。今後の議論やガイドライン策定、家族におけるメディア使用の実践に資する成果として注目されます。
書誌情報
タイトル:Bidirectional Associations of Screen Time with Externalizing and Internalizing Behaviors in Children: A Random Intercept Cross-Lagged Panel Model
著者名:Ippei Takahashi, Taku Obara, Midori Yamamoto, Mami Ishikuro, Masatsugu Orui , Aoi Noda , Genki Shinoda , Fuji Nagami , Atsushi Hozawa , Tomoko Nishimura , Kenji J Tsuchiya , Kenichi Sakurai , Shinichi Kuriyama
掲載誌:American Journal of Epidemiology
早期掲載日:2026年2月2日(オンライン先行掲載)
DOI:10.1093/aje/kwag023