お知らせ
- 2026.10.16
10月5日(月)、INGEM & ToMMoセミナーシリーズ第46回を開催しました
今回は、八戸赤十字病院脳神経疾患センター センター長であり、今年度からToMMoの客員教授に就任された佐々木真理先生よりお話しいただきました。
脳梗塞や認知症等の発症前段階にみられる「無症候性脳病変」は、発症予防の観点から早期発見と適切な介入が重要視されています。佐々木先生は、最新のMRI撮像技術を用いてどこまで病変を捉えられるかについて、これまでの研究成果を交えて紹介されました。
まず「構造イメージング」では、認知機能低下の危険因子であるFLAIR画像の白質病変に対し、自動体積計測やデータベースの層別化が重要であると述べられました。あわせて、3D-T1WI(3次元T1強調画像)の解析により極早期の軽微な脳萎縮を高精度に検出する技術について説明されました。
次に「磁化率イメージング」では、QSM(定量的磁化率マッピング)の臨床応用が提示されました。QSMと3D-T1WIの組み合わせにより、アルツハイマー病やMCI(軽度認知障害)の識別能が向上することや、貧困灌流の重症度を推定し、血行再建術後の過灌流予測にも活用できる可能性についてお話しになりました。
また「拡散イメージング」では、水分子の非正規拡散を捉えるDKI(拡散尖度画像)を用いて、灰白質や複雑な神経線維における微細な病変を捉え、早期の神経変性疾患への応用が期待される研究について紹介されました。
最後の「血流イメージング」では、ASL(Arterial Spin Labeling)により発症前の微細な血流低下を捉える試みや、Multidelay ASLの導入で複雑な血行動態下でもより正確に脳血流量を評価できる技術について紹介されました。
講演の最後には、MRI技術の更なる進歩の必要性に言及されつつ、PETや血液バイオマーカー、ゲノム等とMRIを組み合わせた複合解析が、無症候性脳病変の早期予防・治療への大きな進展につながるとの期待を述べられました。

ハイブリッド形式で開催したセミナーには、ToMMo、INGEMのみならず、学内から多分野の教職員、医学系研究科の学生あわせて約50名の参加があり、質疑応答では活発な意見が交わされました。