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2026.08.18

従来の臨床統計より高い「約1万4千人に1人」女性の遅発型ファブリー病が見逃されている可能性 ―日本人約6万9千人のゲノム解析から、ファブリー病原因遺伝子バリアントの保有頻度を解明―【プレスリリース】

発表のポイント

・ 東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査に参加した68,615人のゲノムシークエンスデータを解析した結果、指定難病の一つであるファブリー病の原因となるGLA遺伝子の病的・病的可能性の高いバリアントは5人に認められ、保有頻度は約13,723人に1人でした。

・ 該当者は全員女性で、遅発型ファブリー病に関連するバリアントを保有していました。また、全員でファブリー病関連物質であるlyso-Gb3が基準値を上回っており、女性の遅発型ファブリー病が通常の診療では見逃されている可能性が示されました。

・ さらに、現時点では疾患との関連が明確でない「臨床的意義不明のバリアント」は17人に認められ、その保有頻度は約4,036人に1人でした。

概要

ファブリー病は、α-ガラクトシダーゼA(GLA)の働きが低下し、糖脂質が全身に蓄積することで、心臓、腎臓、神経などに障害を来す遺伝性疾患で指定難病の一つです。特に女性や遅発型では診断が難しい一方、治療法があるため早期診断が重要です。

東北大学東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門の寶澤篤教授、後岡広太郎特任准教授および東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の安田聡教授、薄田海医師らの研究グループは、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査に参加した日本人68,615人のゲノムシークエンスデータを解析しました。その結果、ファブリー病の原因となるGLA遺伝子の病的または病的可能性の高いバリアントを5人に認め、保有頻度は13,723人に1人でした。該当者は全員女性で、病的バリアントを有する4人ではlyso-Gb3が基準値を上回っていました。本研究は、女性の遅発型ファブリー病が十分に診断されていない可能性を示す成果です。

研究成果は2026年8月7日付で学術誌Genetics in Medicine Openに掲載されました。

プレスリリース本文

論文情報

タイトル:Genome Sequencing Reveals the Prevalence of Fabry Disease–Causing Variants in Japan: Evidence from the Tohoku Medical Megabank
著者:薄田海、後岡広太郎*、髙瀬雅仁、山本沙織、熊田和貴、鈴木秀明、大根田絹子、野口憲一、泉 陽子、荻島 創一、中谷直樹、衞藤義勝、寶澤篤、安田聡
*責任著者:東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門 特任准教授 後岡 広太郎
掲載誌:Genetics in Medicine Open
DOI: 10.1016/j.gimo.2026.104490