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2026.08.19

住まい周辺の緑化度と妊娠高血圧腎症との関連についての論文が掲載

住まい周辺の緑化度と妊娠高血圧腎症との関連を検討した論文が、国際科学誌Environmental Epidemiologyに掲載されました。

妊娠高血圧腎症は、妊娠20週以降に新たに高血圧を発症し、蛋白尿や肝臓・腎臓などの臓器障害を伴う病気で、母体と胎児の双方に重い合併症を引き起こすことがあります。住まい周辺の高い緑化度は心身の健康に良い可能性が報告されていますが、妊娠高血圧腎症との関連は十分に解明されておらず、日本人を対象とした研究はありませんでした。

今回の研究では、東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査の参加者から得られた20,140件の妊娠データを解析しました。居住地を中心とする半径200メートル圏内の緑化度は、人工衛星画像から算出した正規化植生指数(NDVI)を用いて評価しました。妊娠高血圧腎症の発症は、診療記録に基づいて判定しました。緑化度を低・中・高の3群に分けたところ、妊娠高血圧腎症を発症した割合は、それぞれ2.9%、2.4%、2.5%でした。関連する要因を考慮した解析では、緑化度が中程度の群は、低い群と比べて発症リスクが19%低いという関連がみられました。一方、緑化度が高い群では明確な差は認められず、緑化度が高いほど発症リスクが低下する関係は確認されませんでした。

本研究により、住まい周辺の緑化度と 妊娠高血圧腎症の発症リスクとの関連が示唆されました。今後は、緑の種類や利用しやすさも含めて詳しく評価し、ほかの地域でも検証することで、妊婦の健康を支える住環境づくりにつながることが期待されます。

書誌情報

タイトル:Association Between Residential Greenness and Preeclampsia in Japan
著者名:Hisashi Ohseto, Ami Uematsu, Mami Ishikuro, Zheng Xian, Yuta Takahashi, Masatsugu Orui, Keiko Murakami, Aoi Noda, Genki Shinoda, Geng Chen, Noriyuki Iwama, Masahiro Kikuya, Hirohito Metoki, Atsushi Hozawa, Taku Obara, Tomoki Nakaya, Shinichi Kuriyama
掲載誌:Environmental Epidemiology
掲載日:2026年8月10日
DOI:10.1097/EE9.0000000000000513