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2018.05.01

当機構による多層オミックス解析の全体像を記した論文がGenes to Cells誌に掲載されました

ゲノム解析部門の小柴生造教授らは、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査の参加者から提供頂いた試料をもとに行ってきた多層オミックス解析について、その目的・用いている手法及びその開発・解析状況とその有用性について網羅した論文を執筆し、この度、Genes to Cells誌に掲載されました。大規模なコホート調査において、ゲノム解析が大規模に行われるのみならず、オミックス解析、特にメタボローム解析を組み合わせて行うことは、世界でも類例が少なく注目されています。本論文は、コホート調査において多層オミックス解析を実施することが疾患研究のために如何に有用であるかを示し、また、現在までに行っている5,000人分を超えるメタボローム解析の進捗状況とそのデータ公開について記しています。

【詳細】
ヒトの疾患は様々な遺伝環境要因の影響により発症するため、それら原因を突き止める前向きコホート研究は、現代の医学研究で必須のものとなってきました。特に現代のコホート研究では、ゲノム・オミックス解析を組み合わせることで、遺伝環境要因がヒトの心身に与える影響を網羅的に解析することが可能となってきました。
今回、東北メディカル・メガバンク計画で進める15万人のコホート研究において、多層オミックス解析を組み合わせることに成功しましたので、その成果を論文で紹介しています。
まず、私たちが採用した解析法の特徴として、総計15万人分以上という大規模な検体数に対応するために、特にスループット性に優れたメタボローム解析とゲノム解析を組み合わせています。メタボローム解析は生体内の糖・アミノ酸・脂質などの小分子の種類や量を網羅的に解析するものですが、私たちは血液の血漿成分のメタボローム解析を行うこととしました。血液のメタボローム解析によって得られる情報は、遺伝環境要因を非常に強く反映し、それらの要因がヒトの体質や疾患に与える影響を解析する上で、非常に良い指標(中間形質)となります。
私たちは2018年までに5,000人分を超える検体でメタボローム解析を実施し、その成果として日本人の標準的な代謝環境情報を日本人多層オミックス参照パネルとして公開するとともに、遺伝要因がメタボローム情報に与える影響を明らかにしてきました。
今後も引き続き総計15万人を超えるコホート参加者のオミックス解析を実施し、その成果を順次発表していきます。

※中間形質:最終的に表にあらわれる形質に至る過程の、それにつながる中間的な形質のこと。今回の場合、ある遺伝子の変異をもっている、特定の生活環境を続けている、といった要因と、最終的な形質(例えば、病気Aの発症)との間にある形質を指す。メタボローム解析によって得られる、特定の化合物群の血中濃度等は、さまざまな疾患に対して有効な中間形質になることが期待される。

【掲載論文】
Omics research project on prospective cohort studies from the Tohoku Medical Megabank Project
Genes to Cells
Seizo Koshiba, Ikuko Motoike, Daisuke Saigusa, Jin Inoue, Matsuyuki Shirota, Yasutake Katoh, Fumiki Katsuoka, Inaho Danjoh, Atsushi Hozawa, Shinichi Kuriyama, Naoko Minegishi, Masao Nagasaki, Takako Takai‐Igarashi, Soichi Ogishima, Nobuo Fuse, Shigeo Kure, Gen Tamiya, Osamu Tanabe, Jun Yasuda, Kengo Kinoshita, Masayuki Yamamoto
First published: 27 April 2018
DOI:https://doi.org/10.1111/gtc.12588

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