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2016.08.09

台湾國家衛生研究院とシンポジウムを開催しました

2016年7月15日(土)-16日(日)、台湾のNational Health Research Institutes (國家衛生研究院、NHRI)とToMMoが、ゲノミクス、バイオバンク、ラーニングヘルスシステム(自己学習能を持つ、国家レベルでの医療情報活用システム)をテーマに、シンポジウムを開催しました。台湾台北市で昨年11月7日(土)-8日(日)に行った会を受けての第二回目で、冒頭では吳成文博士(國家衛生研究院)から「このシンポジウムを通して関係を築き、共に同じ道を歩んで成功させましょう」という開会の辞をいただきました。

同シンポジウムは、台湾から7名、国内からは国立がん研究センター研究所中釜斉理事長、東京大学医科学研究所村上善則所長の2名の招待講演と山本雅之機構長はじめToMMoから7名が講演し、東北大学病院等から多数の聴衆もあり盛会となりました。

台湾バイオバンク沈志陽執行長の講演によると、バンク利用者のための解析プラットフォームを構築中で、今年からは腫瘍組織の収集を開始したとのことです。同バンクへの協力者は7万人を超え、そのうち5,181人に追跡調査を開始し、うち997人の全ゲノム解析が2015年10月に完了したとの報告がありました。ToMMoも全ゲノム解析を行い、今年6月には2,049人の解析を元にしたゲノム参照パネルからデータを公開したことを、長﨑正朗室長(インシリコ室長)が解説しました。ゲノム医療への応用を目指した大規模な全ゲノム解析は世界各国で進んでおり、今後の成果が期待されます。

また同バンクを中心として、2016-2020年に質量分析計を利用した疾病関連タンパク質探索のプロジェクトが計画されていると陳玉如所長(中央研究院化学研究所)が発表しました。陳所長は、膜タンパク質のプロテオーム解析のプラットフォームを作り、バイオマーカーや標的分子の候補物質の発見を目指す展望を語りました。

一方ToMMoでもオミックス解析を行い、バイオマーカー発見が期待されています。一部のデータはデータベースの形で公開しており、小柴生造室長(オミックス解析室)がその現状を報告しました。

 さらに、これらの生物学的データを活用するための基礎研究の例として山本雅之機構長が、環境ストレス応答の分子基盤および統合バイオバンクとの関係について語りました。

疾患とDNAや環境要因の関係について研究する中釜斉所長(国立がん研究センター研究所)は、日本のコホート事業やバイオバンクの現況を紹介し、村上善則所長(東京大学医科学研究所)はバイオバンクジャパンを中心に日本の状況を解説して「ToMMoや台湾などと研究協力ネットワークを築いていきたい」と話しました。どちらの演者も特にがん発症の機構解明とがんの個別化医療のためにゲノム解読技術が重要であるとお話されました。また台湾の国家衛生研究院の蔡世峰教授から、がんの染色体欠失におけるハプロタイプ選択の不均一性についての研究発表があり、これまでの単純な変異同定だけではがん発症の機構解明には不十分であることが報告されました。

ビッグデータを活用した医療研究は、世界的に注目されていますが、ToMMoのコホート事業で集まるデータは、各種解析や検査、医療情報の15万人分のビッグデータになります。それらデータの統合を目指す東北メディカル・メガバンク統合データベース「dbTMM」を田中博機構長特別補佐(統合データベース室)が解説しました。

また、楊懷壹副研究員(中央研究院)はREVEAL-HBVコホートを解説しました。このコホートはB型肝炎研究を目的として実施されたもので、1991-1992年に募集された30-65歳の調査協力者約2万4千人のうちHBs抗体陽性の約4千人に追跡調査が続けられ、健康保険やがん登録のデータとリンクさせた研究がなされています。なかでもHBVの抗体価から肝臓がんの発症を予測するアルゴリズムの開発は着目すべき成果でした。

また台湾の人口の97%が加入する全民健康保険のデータベースは2000万人以上のビッグデータであり、活用が模索されています。その情勢を江博煌副研究員(國家衛生研究院)が紹介しました。

さらに、ミシガン大学のCharles Friedman教授より、ラーニングヘルスシステムの頭脳と言える知識グリッドのデモンストレーションがありました。ゲノム情報、コホート情報、バイオバンクなどの基礎医学研究ビッグデータと医療情報や疫学情報を有機的に組み合わせながら分析し機械学習を進められるような、新規の健康情報システムの創出に向けた準備状況について講演されました。

ディスカッションでは活発な意見交換が行われ、シンポジウムは盛会に終わりました。今後、日本各地や台湾の研究機関とToMMoとの協力ネットワークが広がり、東アジアのゲノム医療研究が進展することが期待されます。DSC02948

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