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2012.09.17

“記憶にかかわる脳の海馬は、睡眠時間が長い子供のほうが、より大きい“ 瀧靖之教授の研究が第35回日本神経科学大会・記者会見で取り上げられました。

瀧靖之教授の研究成果が第35回日本神経科学大会・記者会見にて “記憶にかかわる脳の海馬は、睡眠時間が長い子供のほうが、より大きい” と取り上げられました。
 

瀧靖之教授研究成果 内容  ―健常小児における海馬体積と睡眠時間との相関―

これまでの研究から、睡眠時間の短い子供たちは、記憶力が劣るという報告が複数あります。本研究は、健康な5歳~18歳の子供たちを対象に、平日の睡眠時間と、脳の記憶を司る領域である海馬の体積の関係を明らかにしました。
その結果、平日の睡眠時間と,海馬の体積には有意な正の相関が見られました。つまり、睡眠時間を十分に取っている子どもは、睡眠時間が短い子どもに比べ、海馬の体積が大きいことが分かりました。
海馬の体積が小さいことは、ストレスやうつ病、高齢者でのアルツハイマー病などで報告があることから、海馬の体積が大きいことは、その後の人生におけるいくつかの病気を回避する上でも重要である可能性が考えられ、また子どもの時の生活習慣、具体的には十分な睡眠が健やかな脳の発達を促進する上で重要であることが分かりました。
このように、本研究結果の社会的意義は、子どもが十分な睡眠を取ることの重要性を明らかにした点にあります。

図 上段:平日の睡眠時間と有意な相関を呈する局所灰白質領域。
      下段左:左海馬における、平日の睡眠時間と灰白質量との相関。
      下段右:右海馬における、同相関。

関連論文

Sleep duration during weekdays affects hippocampal gray matter volume in healthy children

NeuroImage | Volume 60, Issue 1, March 2012, Pages 471–475