お知らせ
- 2026.09.25
加齢性骨粗鬆症の早期骨量減少に関わるFN1の役割を解明
加齢性骨粗鬆症モデルマウスを用いたシングルセル解析と血漿プロテオーム解析により、早期の骨量減少におけるFibronectin 1(FN1)の役割を明らかにした研究成果が、『Communications Biology』に掲載されました。
加齢性骨粗鬆症では、骨形成と骨吸収のバランスが崩れることで骨量が徐々に減少します。一方、明らかな骨粗鬆症に至る前の早期段階で、骨髄内にどのような変化が生じ、骨量減少につながるのかについては十分に明らかになっていませんでした。
バイオバンク生命科学分野の何暁東助教と熊田和貴教授が主導した本研究では、加齢性骨粗鬆症モデルであるSAMP6マウスを用い、骨髄細胞のシングルセルRNAシーケンスと血漿プロテオーム解析を組み合わせて解析しました。その結果、早期の骨量減少段階から単球の増加と破骨細胞への分化亢進が認められ、特にFN1を介した細胞間シグナルが大きく変化していることが明らかになりました。中でも、単球と好中球の細胞間コミュニケーションに関わるFN1-CD44シグナルが、炎症反応や細胞外マトリックス(ECM)のリモデリング、破骨細胞形成に関連する重要な経路の一つである可能性が示されました。また、血中FN1の増加を確認するとともに、培養実験ではFN1が破骨細胞形成と骨吸収機能を促進することを確認しました。
本研究から、FN1が骨髄微小環境における細胞分化や免疫細胞間コミュニケーションを介して、加齢に伴う骨吸収を促進する可能性が示されました。今後、ヒト試料で検証することで、加齢性骨量減少の早期予測や層別化への応用が期待されます。

※こちらの画像はAIにより生成されたイメージです。
書誌情報
タイトル:Osteoclastogenesis with FN1-associated cell differentiation, immune communication, and ECM remodeling in male SAMP6 mice
著者名:Shuai Wang, Xianjie Li, Ping Guo, Hai Yu, Wei Tian, Yuan Yuan, Tiantian Sang, Tianshu Liu, Yalong Qiang, Zehong Cheng, Kazuki Kumada and Xiaodong He*
掲載誌:Communications Biology
掲載日:2026年9月22日
DOI:10.1038/s42003-026-10952-z