お知らせ
- 2026.06.29
日本人の小児期から思春期の子どもの眼軸長成長曲線と年齢別参照値に関する論文が掲載
子どもの眼軸長の年齢別参照値に関する論文が、Ophthalmic and Physiological Optics誌に掲載されました。本研究では、20歳未満の日本人を対象に、眼軸長の成長曲線と、各個人の眼軸長が同世代と比べてどの程度長いか・短いかを計算するための参照値を作成しました。
近視は小児期から進行しうる重要な眼科疾患であり、その進行には眼軸長(眼球の前後方向の長さ)の伸長が大きく関わります。そのため、近視の評価や経過観察において、子どもの頃から眼軸長は重要な指標となります。しかし、日本人小児を対象とした眼軸長の年齢別参照値や、性別・年齢を踏まえて眼軸長を客観的に評価するための方法は、これまで十分に整備されていませんでした。
本研究では、東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査に参加した4~19歳の小児期から思春期の子ども14,482人を対象として、分布全体をモデル化できるGAMLSSという統計手法により、性別・年齢ごとの眼軸長のLMSパラメータと成長曲線を作成しました。これにより、各個人の眼軸長を性別および年齢に応じたZスコアとして表すことが可能となり、同世代の中央値からのずれの程度を数値で評価できるようになりました。
本研究で得られた参照値は、日本人の小児期から思春期の子どもの眼軸長を性別や年齢を踏まえて評価する際の共通のものさしとして、今後の小児近視研究や臨床評価、ならびに東北メディカル・メガバンク計画を活用した解析の基盤として役立つことが期待されます。
書誌情報
タイトル:Axial length growth reference curves and LMS parameters for Japanese children and adolescents aged 4–20 years: The TMM BirThree Cohort Study
著者名:Masayuki Kobayashi, Mami Ishikuro, Taku Obara, Naoko Takada, Shunsuke Fujioka, Saiko Matsumura, Genki Shinoda, Aoi Noda, Keiko Murakami, Masatsugu Orui, Sayaka Yoshida, Akiko Hanyuda, Ryo Kawasaki, Atsushi Hozawa, Toru Nakazawa, Nobuo Fuse, Shinichi Kuriyama
掲載誌:Ophthalmic and Physiological Optics
掲載日:2026年6月27日
DOI:10.1007/s44402-026-00133-0