お知らせ
- 2026.08.10
ネアンデルタール人由来の遺伝子が現代人の筋肉量や顔貌に影響することを解明 ~ToMMoのゲノム・MRIデータが古代人由来遺伝子の機能解明に貢献~
東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が参画した国際共同研究の成果が、Current Biologyに掲載されました。
本研究では、ネアンデルタール人から現代人へ受け継がれた成長ホルモン受容体(GHR)遺伝子の変異に着目し、この変異が現代人においてどのような影響を及ぼすかを解析しました。その結果、このネアンデルタール人由来のGHR変異は、成長ホルモンに対する応答性を高め、筋肉量の増加や、下顎・頭蓋顔面の形態などネアンデルタール人に特徴的な形質の一部に関連することが明らかになりました。
本研究では、ToMMoをはじめとする大規模バイオバンク・コホートのデータを活用して、遺伝子型と身体形質との関連を解析しました。ToMMoは東北メディカル・メガバンク計画参加者のゲノム情報およびMRI画像データの解析・提供を担い、ネアンデルタール人由来遺伝子が現代人の形態形成に与える影響の検証に貢献しました。
本研究は、古代人から受け継がれた遺伝子が、現代人の身体的特徴にどのような影響を及ぼしているかを、分子機能解析と大規模ヒトコホート解析を組み合わせて明らかにしたものです。ToMMoが構築・運用するゲノム・画像データは、疾患研究だけでなく、人類進化やヒトの形質形成の理解にも活用されており、本研究は大規模バイオバンクが生命科学の幅広い分野に貢献できることを示す成果となりました。
書誌情報
タイトル:Increased signaling of the Neanderthal growth hormone receptor
著者:Philipp Kanis, Miriam Berreiter, Daniel Sieme, Olivia Wootton, Xiang-Chun Ju, Nicholas E. Holzwart, David Ziliang Hu, Shu Tadaka, Makiko Taira, Kengo Kinoshita, Richard Ågren, Johan G. Olsen, Tomislav Maricic, Hilary C. Martin, Birthe B. Kragelund, Svante Pääbo, Andrew J. Brooks, and Hugo Zeberg.
掲載誌:Current Biology
掲載日:2026年8月5日
DOI:10.1016/j.cub.2026.07.025