お知らせ

記事一覧
全て
ニュース
成果
プレスリリース
イベント
2025.12.16

アルコール摂取と加齢性難聴の関連を大規模データで解明 -飲酒量・性別・遺伝子型により影響が異なる-【プレスリリース】

発表のポイント

・ 東北メディカル・メガバンク計画が有する約1.5万人分の大規模データを用いて、飲酒量と加齢性難聴の関連を男女別に詳細に解析しました。
・ 男性は多量飲酒(純アルコール摂取量1日60g以上)で難聴が多い一方、女性では少量~中等量飲酒(1日10~20g)で難聴が少ないことがわかりました。
・ 本研究により、飲酒が難聴に与える影響はアルコール代謝に関わる遺伝因子によって変動する可能性が示唆され、今後の加齢性難聴の予防や個別化医療を考える上で重要な報告です。

概要

「加齢性難聴」は日常生活の質や社会参加に大きな影響を及ぼす有病率の高い疾患ですが、飲酒との関連については見解が一致していません。

東北大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野の香取 幸夫教授、鈴木 淳准教授、高橋 ひより非常勤講師らの研究グループは、東北メディカル・メガバンク計画の大規模データを用いて、標準純音聴力検査による客観的な聴力評価と、詳細な飲酒習慣の質問票データを組み合わせて、加齢性難聴と飲酒量との関連を検討しました。その結果、飲酒量と加齢性難聴との関連は男女で異なり、男性では多量飲酒で難聴が多く、女性では少量から中等量の飲酒で難聴が少ないことがわかりました。さらに本研究では、日本人のアルコール飲酒量や代謝に関わる遺伝的背景に着目し、飲酒に関連する遺伝子多型による難聴の有病率の違いについても検討しました。その結果、一部の遺伝子多型では、同じ飲酒量でも難聴の割合が異なり、遺伝的な違いにより飲酒が加齢性難聴に与える影響が異なる可能性が示されました。

本研究は、身近な生活習慣である「飲酒」と加齢性難聴の関係について、男女別・詳細な飲酒量区分・遺伝的背景を同時に考慮して検討した点に特徴があり、今後の加齢性難聴の予防や個別化医療を考える上で重要な報告になります。

本研究成果は、2025年12月2日に国際学術誌Scientific Reports(電子版)に掲載されました。

プレスリリース本文

論文情報

タイトル:Relationship between age-related hearing loss and alcohol consumption in a Japanese population
著者:Hiyori Takahashi, Jun Suzuki*, Ikuko N. Motoike, Miyuki Sakurai, Yuta Kobayashi, Gosuke Watarai, Hiroki Tozuka, Mana Kogure, Tetsuaki Kawase, Yohei Honkura, Ryoukichi Ikeda, Kengo Kinoshita, Naoki Nakaya, Taku Obara, Atsushi Hozawa, Shinichi Kuriyama, Nobuo Fuse, Masayuki Yamamoto, Yukio Katori
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-025-29634-7