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2025.10.14

公開データベースibSLS(宇宙生命科学統合バイオバンク)の大幅リニューアル

東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で構築した公開データベース「ibSLS(integrated biobank for Space Life Science、宇宙生命科学統合バイオバンク)」を大幅にアップデートし、公開しました。

更新のポイント

収載データの拡充

国際宇宙ステーション「きぼう」実験棟で実施された宇宙マウスミッション(Mouse Habitat Unit: MHU)のうち、2016年から2020年にかけて実施されたMHU-1からMHU-5までのデータを含みます。解析対象は、全身の9種類以上の組織から得られた遺伝子発現(トランスクリプトーム)データおよび血中代謝産物(メタボローム)データで、総検体数は500検体を超えます。後者に関して、一部の検体では血中代謝産物の濃度を従来の質量分析(LC-MS)だけでなく、核磁気共鳴(NMR)でも測定しており、その結果をデータとして追加しました。これにより、より高い精度で代謝物濃度を評価できるようになりました。

インタラクティブなデータ検索・解析機能(新機能)

マウス群間の比較や、別の宇宙実験ミッションで得られたデータの比較を行うため、簡易的な統計解析をブラウザ上で行うことができるようになりました。利用者は専門的な情報処理を行うことなくデータの特徴を把握できます。

ミッション内容の詳細な解説

各ミッションの目的、実験条件、取得サンプルの概要などを整理し、利用者が研究背景を正確に理解できる情報を整備しました。

地上のヒトデータとの連携

ibSLSからToMMoの日本人多層オミックス参照パネル(Japanese Multi Omics Reference Panel; jMorp)に収録された血液成分を用いたトランスクリプトーム・メタボロームデータに容易にアクセスすることができます。これにより、例えばヒト(一般住民)の加齢変化とマウスの宇宙滞在による変化が容易に比較可能となり、加齢変化を伴うさまざまな疾患の理解の加速が期待されます。

JAXA 試料分譲プログラムへのリンク

前回のアップデートに引き続きibSLSから直接、JAXAが提供する試料分譲プログラムのウェブサイトにアクセスすることができます。データと試料の両面から、宇宙マウス研究をより一層支援します。

目的と期待される効果

今回のアップデートにより、ibSLSは、宇宙で行われている生命科学研究の正確な理解と得られた情報・試料の利活用の促進を目的とした、より実用性の高いバイオバンクとして進化しました。これにより、宇宙環境下での生物学的応答の解明や、地上での加齢・疾病研究への応用が一層加速すると期待されます。

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