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2013.10.15

第34回 日本肥満学会 にて「宮城県美里町における肥満症の現状」について発表

2013/10/11,12の日程で開催された、「第34回 日本肥満学会」にて、東北メディカル・メガバンク機構 地域医療支援部門 岡村将史医師、阿部倫明准教授、清元秀泰教授の3名が、「宮城県美里町における肥満症の現状」と題して発表しました。

下記に抄録を報告します。

宮城県美里町における肥満症の現状

岡村将史1,2,3、坂本拓矢1、奈古一宏1、千田美穂1、玉手英一2、阿部倫明3、清元秀泰3、小川晋4、伊藤貞嘉1

1: 東北大学大学院医学系研究科腎高血圧内分泌科
2: 美里町立南郷病院
3: 東北メディカル・メガバンク地域医療支援部門
4: 東北大学保健管理センター

特定健診および学校保健統計調査などの結果から、宮城県は肥満症が多い地域と考えられる。東日本大震災により、宮城県全域で物流が混乱し、多くの住民が約1ヵ月程度、高炭水化物食および高食塩食に暴露された。これまでの報告から、岩手県沿岸被災地ならびに福島県避難区域の住民において、肥満症および高血圧を有する住民が増加していることが報告されている。しかしながら、宮城県における詳細は不明である。
我々は、東北メディカル・メガバンク地域医療支援の一環として、被災地周辺地区の自治体病院への循環型医師派遣システムを構築し、人間ドック、職員健診および学校保健統計調査に参加した。職員健診では、肥満度に明らかな変化を認めなかった。しかしながら、人間ドックにおいては、軽度肥満者が増加していた。学校保健統計調査においては、宮城県平均と比較して肥満度はやや高い傾向を示した。多くの住民が短期間に高炭水化物食および高食塩食に暴露されたことは世界的にも稀であり、今後、ゲノムコホートとも併せて解析していきたい。

関連リンク

第34回日本肥満学会