お知らせ

記事一覧
全て
ニュース
成果
プレスリリース
イベント
2023.04.17

非喫煙妊婦における受動喫煙に関する論文がMaternal and Child Health Journal誌に掲載

三世代コホート調査のデータを用いた研究で、非喫煙妊婦において教育歴・世帯所得が低いほど受動喫煙にさらされる割合が高いことが明らかになり、論文がMaternal and Child Health Journal誌に掲載されました。

妊娠中の受動喫煙は、周産期の予後や生まれてくる児の発育・発達への影響が示唆されている重要な公衆衛生学的課題のひとつです。教育歴や所得などの社会経済的指標と受動喫煙の関連が海外の研究で報告されていますが、日本の妊婦における関連は明らかではありません。そこで、三世代コホート調査のデータを用いて、日本の非喫煙妊婦における教育歴・世帯所得と受動喫煙との関連を検討しました。

その結果、32.6%の非喫煙妊婦が週に1日以上屋内で受動喫煙にさらされていました。教育歴の低い者で受動喫煙にさらされている割合が高く、世帯所得の低い者で受動喫煙にさらされている割合も高いという関連が明らかになりました。これらの関連は、就労している者、就労していない者のいずれにおいてもみられました。

本研究結果は、教育歴および世帯所得の低い妊婦ほど受動喫煙曝露という不健康な環境に置かれていることを示しています。メカニズムを検討し格差縮小の介入点を探索するとともに、受動喫煙を防止できる環境を整備する必要性が示唆されたといえます。

書誌情報

タイトル:Associations of Education and Income with Secondhand Smoke Exposure Among Non-smoking Pregnant Women in Japan: The Tohoku Medical Megabank Project Birth and Three-Generation Cohort Study
著者名:Keiko Murakami, Taku Obara, Mami Ishikuro, Fumihiko Ueno, Aoi Noda, Shinichi Kuriyama
掲載誌:Maternal and Child Health Journal
早期公開日:2023年3月29日
DOI:10.1007/s10995-023-03648-x