お知らせ

記事一覧
全て
ニュース
成果
プレスリリース
イベント
2022.12.09

地域支援センターにおける子どもの健康調査の設計と進捗を報告した論文がTohoku Journal of Experimental Medicine誌に掲載されました

東北大学東北メディカル・メガバンク機構の地域支援センターにおける子どもの健康調査実施の設計と進捗に係る論文がTohoku Journal of Experimental Medicine誌に掲載されました。

2013年から2017年にかけて宮城県内で産まれた新生児23,143人とそのきょうだい9,459人が、東北メディカル・メガバンク計画の三世代コホート調査に参加登録して頂いています。これらの参加児の健康状態を継続的に把握するために、私たちは2017年6月から、宮城県内7ヶ所に設置された地域支援センターにおいて、おおよそ5歳、10歳、16歳の時点で子ども健康調査を実施することとし、その詳細な計画を設計し、実際に進捗させています。
出生から始まる三世代コホートの大規模なものは世界的にも例を見ないので、その中での子ども健康調査は未知の点が多い、手探りの試みでした。本論文では、2017年6月から2020年3月までに当機構が取り組んできたことを、具体的には、1)地域支援センターで子どもの健康状態を客観的に評価するための検査項目や体制をいかに準備したか、2)子どもと併行して保護者も健康調査を受けることができるような体制を施設面も含めていかに構築したか、3)子どもが安全に、そして、快適に健康調査を受けることができるような環境をいかにつくりあげたかについて、設計・準備面から進捗状況まで、報告しました。準備期間を終えて、実際に健康調査に取りかかった約4年弱の期間に、5歳児を中心に子ども約1万4千人分の出生前から小学校就学前に及ぶ試料と情報を、追跡率高く、精密に収集し、管理しています。また、きょうだいを含めれば子ども約2万人分の試料と情報を収集・管理しています。

本取り組みにより得られた大規模な子どもの試料と情報は、遺伝要因と環境要因の相互作用により胎児期から小児期にかけて発症する疾患に対する新たな医療の取り組みに貢献することが期待される、これまでに例のない極めて重要なものです。

書誌情報

タイトル:Design and Progress of Child Health Assessments at Community Support Centers in the Birth and Three-Generation Cohort Study of the Tohoku Medical Megabank Project
著者:Tomoko Kobayashi, Mika Kobayashi, Naoko Minegishi, Masahiro Kikuya, Taku Obara, Mami Ishikuro, Chizuru Yamanaka, Tomomi Onuma, Keiko Murakami, Fumihiko Ueno, Aoi Noda, Akira Uruno, Junichi Sugawara, Kichiya Suzuki, Eiichi N. Kodama, Yohei Hamanaka, Naho Tsuchiya, Mana Kogure, Naoki Nakaya, Makiko Taira, Mika Sakurai-Yageta, Toru Tamahara, Junko Kawashima, Maki Goto, Akihito Otsuki, Ritsuko Shimizu, Soichi Ogishima, Hiroaki Hashizume, Fuji Nagami, Tomohiro Nakamura, Atsushi Hozawa, Tadao Kobayashi, Nobuo Fuse, Shinichi Kuriyama, Shigeo Kure, Masayuki Yamamoto
掲載誌:The Tohoku Journal of Experimental Medicine
掲載日:2022年12月1日(早期公開)
DOI:10.1620/tjem.2022.J103