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2014.07.04

第48 回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(7月11日)

第48回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。

今回は東北大学生命科学研究科・牧野能士先生を講師としてお迎えし、「重複遺伝子の進化学的研究と生態学・医学分野への応用」について講演していただきます。

・日時:平成26年7月11日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカルメガバンク棟3階 小会議室2
・演題:重複遺伝子の進化学的研究と生態学・医学分野への応用
・講師:牧野 能士 先生(東北大学大学院生命科学研究科)
*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

概要:遺伝子がコピーされる突然変異である遺伝子重複は、主として新規機能を持った遺伝子の創出メカニズムとして着目されてきた。遺伝子重複により機能が分化した遺伝子が増加すれば、環境から受ける様々な撹乱に対するロバストネスは高まる事が予想される。我々は、哺乳類やショウジョウバエ属のゲノム情報既知種に着目し、ゲノム中に含まれる重複遺伝子の割合が高いほど、生息する環境が多様性であることを見出した。ゲノム中の重複遺伝子を調べることで種の環境変化に対する脆弱性や侵略性を測ることが可能になれば、全く新しいアプローチによる外来種問題や生物保全への取り組みが期待できる。また、個々の遺伝子の重複ではなく進化過程において希に全ての遺伝子が倍加する全ゲノム重複が起こることがある。全ゲノム重複は生命システムのロバストネスを飛躍的に高め、絶滅の回避や種子植物・脊椎動物の成立などの大進化に寄与してきた。一方で、全ゲノム重複後に消失せず保持された重複遺伝子(オオノログ)はロバストネスには寄与せず、他の重複遺伝子と区別する必要がある。それどころか、オオノログは疾患に関わる傾向が強い。オオノログが持つ特殊な性質である遺伝子量均衡性について概説し、オオノログが疾患関連遺伝子である具体例を紹介する。

世話人:佐藤行人、長崎正朗