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2022.06.16

三世代コホート調査をもとにした妊婦の配偶者における喫煙継続・屋内喫煙の関連要因に関する論文を発表

予防医学・疫学部門の村上慶子講師らが執筆した妊婦の配偶者における喫煙継続・屋内喫煙の関連要因に関する論文がJournal of Epidemiology誌に掲載されました。

妊娠中の受動喫煙は、周産期の予後やお子さんの発育・発達への影響が示唆されており、重要な公衆衛生学的課題となっています。また、喫煙しない妊婦さんにおいて、配偶者の喫煙は受動喫煙の主な原因です。しかし、配偶者の喫煙行動に関連する要因は、今まであまり検討されてきませんでした。そこで、三世代コホート調査のデータを用いて、非喫煙妊婦の配偶者における喫煙継続および屋内喫煙に関連する社会的要因を検討しました。

その結果、妊娠判明時に喫煙していた配偶者の約9割は、妊娠判明後も喫煙を継続していました。さらに、職場で受動喫煙にさらされている配偶者において、喫煙を継続する割合が高かったです。一方、妊娠判明後に禁煙した妊婦さんの配偶者において、喫煙を継続する割合が低かったです。
妊娠判明後も喫煙を継続している配偶者のうち、約3割が屋内で喫煙していました。高い年齢、低い教育歴、職場で受動喫煙にさらされている、妊娠判明後に禁煙した妊婦の配偶者である、という4点が、屋内での喫煙する割合と正の関連がありました。

妊娠は、妊婦さんのみならずその配偶者にとっても、本人および生まれてくる児の健康のために禁煙を促す良い機会です。本研究で明らかになった喫煙継続・屋内喫煙の関連要因を考慮することで、配偶者への効果的な介入につなげられる可能性があります。

書誌情報

タイトル:Social Predictors of Continued and Indoor Smoking Among Partners of Non-smoking Pregnant Women: The TMM BirThree Cohort Study
著者名:Keiko Murakami, Mami Ishikuro, Fumihiko Ueno, Aoi Noda, Tomomi Onuma, Taku Obara, Shinichi Kuriyama
掲載誌:Journal of Epidemiology
DOI: 10.2188/jea.JE20200313