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2020.05.18

日本人の尿中アルブミン排泄量に関するゲノムワイド関連解析の論文がClinical and Experimental Nephrology誌に掲載

地域医療支援部門の奥田拓史非常勤講師(前同助教、現帯広第一病院総合診療科)と岡本好司助教のグループによる、日本人の尿中アルブミン排泄量に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)の論文が、Clinical and Experimental Nephrology誌に掲載されました。

本研究では、東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査参加者約1万人を対象として、日本人の尿中アルブミン排泄量に関連したGWASを行い、18個の関連遺伝子を同定しました。それらの中でも、特に甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)をコードする遺伝子が、尿中アルブミン排泄量に影響を与えていることが分かりました。
尿中アルブミン排泄量は、腎機能が悪化するのに伴い、特に糖尿病性腎症において、増加することが一般的に知られています。これまでにも、欧米人や糖尿病患者を対象にした尿中アルブミン排泄量に関するGWASは報告がありました。
本研究は、日本人のみならずアジア人、また、一般住民を対象にした尿中アルブミン排泄量に関するGWASとして、初めての報告となります。今後、本研究の結果をもとに、甲状腺機能と尿中アルブミン排泄の関連を基礎的に解明する必要があります。将来的には、新規創薬に繋がることも期待されます。

奥田非常勤講師は、ToMMoクリニカル・フェロー(TCF)として地域医療支援に従事しながら、本機構の地域住民コホート調査にも参画し、そのデータを基に本研究を行いました。

書誌情報

タイトル:Genome-wide association study identifies new loci for albuminuria in the Japanese population
著者名:Hiroshi Okuda, Koji Okamoto, Michiaki Abe, Kota Ishizawa, Satoshi Makino, Osamu Tanabe, Junichi Sugawara, Atsushi Hozawa, Kozo Tanno, Makoto Sasaki, Gen Tamiya, Masayuki Yamamoto, Sadayoshi Ito, Tadashi Ishii 
掲載誌:Clinical and Experimental Nephrology
Published online: 10 April 2020
DOI: 10.1007/s10157-020-01884-x