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2019.03.28

東北メディカル・メガバンク計画 岩手県8,300人分の生体試料・生理機能検査情報などの分譲を開始 -脳卒中・心臓病などの予防法や治療法の開発に貢献可能-【プレスリリース】

【概要】
岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)と共同で、2013~2015年度に東北メディカル・メガバンク計画(TMM)で実施された地域住民コホート調査のうち、IMMが岩手県内に設置する5か所の会場で生理機能検査を含む健康調査に参加した地域住民約8,300人の生体試料・情報について、研究者向けの提供(以下、分譲)の受付を開始します。
今回の分譲の対象となる約8,300人の生体試料・情報には、血液(DNA、血漿、血清)・尿、検体検査情報、健康調査情報に加えて、内臓脂肪面積、頸動脈エコーなどの生理機能検査情報が含まれます。脳卒中や心臓病にかかるリスクの上昇に影響を及ぼす内臓脂肪や動脈硬化の指標などの情報が、血液・尿検査情報、健康調査情報と紐づけられて分譲されることはTMMで初めてです。
今回分譲される生体試料・情報を活用することにより、遺伝的体質と生活習慣などの環境要因が脳卒中や心臓病などの発症に及ぼす影響が解明され、これらの疾患の予防・早期診断・治療に大きく貢献することが期待されます。

【成果詳細】
岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)では、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)と共同で、東日本大震災の復興支援事業である東北メディカル・メガバンク計画(TMM)の一環として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援の下、岩手県の被災地域を中心とした大規模健康調査を行い、地域医療の復興に貢献するとともに、個別化医療などの次世代医療体制の構築を目指しています。
今回の分譲の対象は、2013~2015年度に実施された地域住民コホート調査のうち、IMMが岩手医科大学矢巾キャンパスおよび沿岸4地域(久慈、宮古、釜石、気仙地域)に設置するサテライト(矢巾センターおよび沿岸4サテライト、計5か所)で実施したサテライト型健康調査に参加した20歳以上の地域住民約8,300人の生体試料・情報です。
分譲される生体試料は、DNA、血漿、血清、尿です。分譲される情報は、コホート調査によって得られた血液・尿検査情報と、調査票由来の既往・現病歴、生活習慣情報などの健康調査情報に加え、生理機能検査情報です(詳細下表)。

なお、「分譲」は、両大学以外の有識者を中心とした試料・情報分譲審査委員会の審査の上で、個人情報の管理等に配慮したセキュリティーポリシーの厳格な運用をもとに行われます。 分譲を申請できるのは、日本の学術研究機関(非営利機関)と、本社が日本にある企業等の研究所に所属する研究者です。被災地を中心とした人々の健康の維持・増進への貢献、東北発の次世代医療の実現、創薬等の新たな産業の創出などの所定の目的に沿った研究への利用が求められます。なお、分譲後に生じた知的財産は、基本的に利用者に属します。

【まとめと展望】
このたび、IMMが実施した岩手県内の地域住民コホート調査参加者のうち約8,300人分の生理機能検査情報を含む生体試料・情報の分譲の受付を開始いたします。血液・尿検査情報、健康調査情報と紐づけられる生理機能検査情報を活用することにより、脳卒中や心臓病をはじめとする種々の疾患の予防や治療、ひいては個別化医療・個別化予防の実現に向けた研究の推進に貢献することが期待されます。

プレスリリース本文

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岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構

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