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2018.01.29

c-Myc高発現型卵巣癌に対する治療標的を世界で初めて発見 – 卵巣癌の個別化医療実現へ期待 -【プレスリリース】

卵巣癌は病状が進行してから発見されることが多いため、悪性腫瘍の中で最も治療後の経過(予後)が悪い癌のひとつです。異なる性質の卵巣癌に対して同じ治療が行われることも予後が悪い理由であると考えられます。そのため、腫瘍の性質にあった個別化医療を実現する必要があります。
東北大学大学院医学系研究科婦人科学分野の豊島 将文 講師、八重樫 伸生 教授、同大東北メディカル・メガバンク機構地域医療支援部門の北谷和之 講師らのグループは、癌遺伝子のひとつとして知られるc-Mycを指標に、c-Myc高発現型卵巣癌と合成致死を示す治療標的分子としてFurinを世界で初めて同定しました。c-Myc高発現型卵巣癌に対してFurinは新しい有望な治療標的となり、卵巣癌の個別化医療への実現につながると考えられます。
 この研究成果は、Oncotarget誌に掲載されました。

ポイント

・卵巣癌細胞株を用いて大規模遺伝子抑制スクリーニングを行い、c-Mycと合成致死を示す標的分子としてFurinを同定した。
・c-MycとFurinは、協調して卵巣癌の細胞増殖を促進し、その作用機序にはNotch1が関与していた。
・Furinはc-Myc高発現型卵巣癌に対し、新しい有望な治療標的となり得る。

プレスリリース詳細(PDF)

【論文】
Novel cooperative pathway of c-Myc and Furin, a pro-protein convertase, in cell proliferation as a therapeutic target in ovarian cancers
日本語タイトル:プロタンパク質転換酵素 Furin と c-Myc の協調経路は卵巣癌の治療標的となり得る
掲載誌:Oncotarget, 2018, Vol. 9, (No. 3), pp: 3483-3496
執筆著者: 湊純子、豊島将文、石橋ますみ、張雪薇、重田昌吾、カーラ・グランドーリ、北谷和之、八重樫伸生
Published: December 15, 2017
https://doi.org/10.18632/oncotarget.23322